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誤解と誤算★14

* * * 晃・side * * * そして 辺りが薄暗くなってきた頃。 遊が、寝ている間に・・・と、 四苦八苦しながら、ご飯を炊いて お粥を作った。 『よし!上手くいった♪』 初めての割には満足な出来上がりに安心して、 部屋のドアをそっと開けて中に入る。 『遊・・・、お粥 作ったけど・・・食べれ・・・  ─────!?』 近くまで行くと・・・なんだか遊の様子がおかしい。 『ゆ、遊・・・っ・・・?』 苦しそうに歪む遊の顔。 息も荒く、かなり つらそう。 ───って、まさか・・・・・!! 慌てて、額に手をあてると・・・。 『あつ・・・っ!』 熱が、ぶり返していた。 それも かなり高い・・・っ! 『そんな・・・。ど、どうしよう・・・・っ』 おろおろしながら、どうすべきか考える。 そうだ!病院っ!! まだ、やってる病院はある・・・よな。 最悪、救急外来のある所に行ってもいいし。 タクシー呼べば大丈夫だろっ! 『よし!』 遊を抱えあげようと布団をめくって はた、と気づいた。 こんなに具合の悪い遊を寒い外に・・・? タクシーがすぐ来ればいいけど もし待つことになったら・・・? もっと悪くなるかも・・・・!! いや、でも行かないと・・治らない! それに、もしインフルエンザだったら? 薬もらわないとっ!! いや、でも・・・外 寒いし・・・ 『あー!もうっ!!  往診してくれるトコないかなー』 あ!・・・そうだ!!救急車!! 『・・・・・・・・・』 いや・・・いいのか? 呼んでも大丈夫なのかな? 救急車って どのくらいの症状で呼ぶものなの? 『あー!分っかんねーっっ!!  どうすりゃいいんだよーっっ!!』 『・・・う・・・・・・』 『─────っ!』 游が苦しげに寝返りをうつ。 いかん、いかん。 静かにしなきゃ・・・ 冷静に・・・冷静に。 なにか他にいい案はないか・・・と 部屋の中をぐるぐる歩き回っていると、 スマホが鳴り出した。 ───俺のだ。 『こんな時に誰だよ・・・・っ!』 ポケットから取り出して、画面を見ると、 知らない番号から。 『・・・・・・誰だ??』 画面を見つめ、出ようか出まいか 悩んでいるうちに留守番電話に変わってしまった。 ピーの発信音の後に・・・・ 『あ、もっしも~し。えっと、志田くん~?』 聞き覚えのある 間延びした男の声が聞こえてきた。

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