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誤解と誤算★15

* * * 晃・side * * * 『えっ・・・?』 この声・・・ 『もっしも~し。』 ・・・やっぱり! 昼間、散々 聞いた変態保険医の声だ。 変態とはいえ、一応・・・医者?だよな? よく分かんないけど、 切羽詰まったこの状況では・・コイツに頼るしか・・・ ないっっ! 『・・・もしもしっ!!』 『あ、出た~。えっと、篠宮くん、どう?』 『あの・・・っ、あの・・・また熱が・・・っ!!』 『ああ、上がっちゃった~?』 『は、はいっ!かなり高くて・・・!』 『ふ~ん。そっかぁ。じゃあ、今から  行くから待っててね~。』 『えっ?行くね?って・・・えっ!?』 『うん。待っててね~。』 『え・・・あの・・!』 聞き直そうにも、とっとと電話は切れてしまった。 けど、意味が理解できない俺は、 呆然と立ち尽くすしかなくて。 なに? 行くね~、ってことは・・・ 来るの? うちに・・・・来るってこと?? 『・・・どういう事?』 そもそも、うちを知ってるのか? ・・・知ってんの? 何で? あ。電話もだ。 なんで知ってんの? 変態でエスパー? まぁ・・・来てくれたら 助かるけど。 遊の苦しげな顔を見ながら、 ただ ひたすら、あの男がやって来るのを 待つしかない俺。 早く何とか楽にしてあげたい。 それだけを思う。 5分、10分が とても長く感じる。 早く・・・・早く・・・・っ! 15分・・・・20分。 まだかよ・・・・っ! 早く・・・早く来いって・・・!! ジリジリ待っていた その時、 ようやく 待ち望んだチャイムが鳴った。 『来た・・・・・っ!』 ドタバタと玄関へ走る。 勢いよくドアを開けると、 にっこり笑った保険医が立っていた。

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