453 / 761
誤解と誤算★17
* * * 晃・side * * *
『えっと、これも渡しとくね?』
『・・・・なんすか、これ。』
ちっさい箱を手渡されて、見るけど
よく分からない。
『えー?坐薬。』
『坐薬?』
『うん。知らない?えっとねー、うふふ。』
『・・・・な、なんすかっ!キモッ!!』
頬を赤く染めて、不気味に笑う保険医を
思いっきり冷めた目で見てしまう。
それでも、この男は
そんな事 気にもしてません!って感じで
ニヤニヤが止まらない様子。
『えっとね?これをね?うふふーっ!』
『だから、なんなんすか!キモイって!』
『うふ♡お尻にね?ブスーっと入れちゃうの♡』
『おし・・・お尻?お尻っっ/////!?』
「お尻」と聞いて 慌てふためく俺を尻目に
『そう。そしたら熱が下がります。』
言うとこまで言ってしまったら、
急にキリッと医者の顔に戻る。
『・・・・・・・・・。』
・・・ギャップが半端ねー。
『えっとね~、挿れ方は箱に書いてあるから~
よく読んでね?うふ♡』
・・・あ。元に戻った。(早い・・・)
『あとね?挿れてから、しばらく押さえとかないと
にゅるんって出てきちゃうから注意してね?』
『にゅるん・・・・』
『そう、にゅるんっ♡』
『にゅるん・・・』
────って・・・////
保険医の言い方なのか
ついエロい想像をしてしまって、
ニヤけそうな顔を無理やり引き締めていると
またしても医者モードになった保険医が・・・
さっきの俺みたいに冷めた目で、ジトーっと見ていた。
『君ね・・・、色気にあてられて
エッチな事しちゃ ダメだからね?』
『し、しませんよっ////!!(多分・・・)』
『まあ、坐薬は最後の手段ね?
薬も飲めなくて、熱が高い時にね?』
『は、はい。』
『OK♪じゃあ、俺は帰りま~す。』
『あ、あああの!ありがとうございました!』
『心配な事があったら いつでも電話してね?』
『は、はい!』
『写真もよろしくね~♡』
『・・・は・・・、・・・はいっ!』
変態保険医・・・だけど
遊の命の恩人、俺にとっては救世主!
感謝感激雨あられ!
元気になったら、写真でもなんでも
思う存分撮らせてあげても いいや・・・
なんて、思う俺なのだった。
ともだちにシェアしよう!