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誤解と誤算★18
* * * 晃・side * * *
『遊・・・・、遊・・・?』
『ん・・・・・』
何度か呼びかけていると、遊がゆっくりと
目を開けた。
『ごめんね、起こして。薬、飲も?』
『・・・・う・・・ん・・・・・』
ホントは何か食べてからの方がいいんだけど
・・・とりあえずは熱を下げないと。
少し頭を持ち上げてあげて解熱剤を口に入れる。
水を飲ませて、ゴクリと飲み込んだのを
確認して ホッと息を吐いた。
『なんか食べれそう?』
『・・・・・』
微かに首を振る遊。
『お粥は?』
『うどんは?』
『ヨーグルト?』
『アイス!』
なんて、次々と言ってみるものの・・・
遊は首を振るばかりで。
さっき、遊が寝ている間にダッシュで
買い物に行ってきたから、一通り、
遊の好きな物は揃っているんだけどなぁ。
『ゼリーとかプリンもあるよ?』
この言葉に、遊が反応した。
『・・・・じゃ・・・あ、・・・プリン・・・・』
『プリン!?持ってくるっ!』
バタバタと冷蔵庫に走ってプリンを取って
また戻る。
何か食べてくれる気になってくれたのが嬉しくて
いそいそと スプーンですくって口へと運ぶ。
『おいし・・・』
『そ?よかった~。』
『ありがと・・・・晃くん・・・』
『いっぱい食べて元気になろう。』
『うん・・・・』
力なくも、ふんわり笑った遊は・・・
結局 半分も食べないうちに
また眠ってしまったんだけど
きっと良くなる。
俺が治してみせる!
俺が・・・!!
俺は 闘志を燃え上がらせていた。
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