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誤解と誤算★22
* * * 遊・side * * *
スマホを手に取ったものの・・・手が震えて
上手く操作出来ない。
スマホって・・・こんなに重かったっけ?
と、手間取っていると
『貸してもらってもいい?』
そう白衣の人に言われて、素直に渡した。
普段の僕は絶対しない事なんだけど
・・・この人は大丈夫。
そんな気がした。
『相手の名前、教えてもらってもいい?』
『えと・・・志田 晃・・・くん、です////。』
なんだろ・・・・////
名前を言うだけなのに、なんで
こんなに恥ずかしいんだろ・・・・////
『志田、くんね。』
『あ。あの・・・晃くんで・・・いれてます////。』
『・・・・・。君、可愛いね。』
『・・・はい・・・・?』
急に なに言ってんの・・・?この人。
優しい雰囲気から、怪しい雰囲気に
急転回した気がする。
ふるっと背筋が むず痒くなって、
不安になっていると、白衣の人は
ふんわり笑って、また元の優しい雰囲気に戻った。
『ああ、ごめんね。大丈夫、大丈夫。
俺、可愛いものが好きなだけだから。』
『・・・可愛い・・・もの?』
『うん。顔も、重要だけどね?
えっと、仕草とか話し方とかね?
総合しての可愛さも好きなんだよね~。うふふ。』
『・・・・・・はあ・・・。』
うふふ?
急に オネェぽくなってない?
えっと。
大丈夫なの?この人。
『まー、気にしない気にしない。
あ。あった。晃くんね?』
『あ・・・////。はい。』
スマホを操作して、渡してくれる。
呼び出し音が聞こえて、すぐに晃くんが出た。
心配そうな声。
ううん。
心配してくれてた声・・・
晃くん、僕の事 心配してくれてたんだ・・・
ホッとしたと同時に泣きそうになって
喉が詰まったみたいになって、声が上手く出てこない。
『ごめんね・・・』
って、1番 言いたかったことは言うことが出来た
けど
その後は・・・泣いちゃうのを堪えるのが精一杯で。
そうして、何も言えずにいると・・・
パッとスマホを奪われた。
え?・・・
って、白衣の人を見たら
軽く手を上げて自分の胸にあてて、
"任せろ!"って顔をして 晃くんと話し始めた。
『すぐに来るって。』
『あ・・・はい。』
すぐに電話は終わって、今度は薬を渡される。
『解熱剤。飲んどいて?楽になるから。』
『はい・・・・。』
薬を飲んで、また横になる。
晃くんが来てくれるって、そう思うだけで
胸があったかくなって
訳の分からない不安は もう なくなっていた。
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