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誤解と誤算★24

* * * 遊・side * * * ───夢を見た。 僕は・・・暗い暗い 部屋で 1人で小さく丸くなって 寝ていた。 ここは・・・僕の部屋だ。 まだ、晃くんに出会う前 1人だった頃の・・・僕の記憶。 あの家に住んでいた頃・・ 熱を出した事は、何度かある。 誰も看病なんて してくれない。 誰も傍に いてくれない。 でもそれは・・・・いつもそうで 僕の中では 当たり前の事で・・・ そんな時 いつも僕は、ただ じっと布団にくるまって・・・ 傷を負った野性動物のように ただ ひたすら じっとして 体が回復するのを待った。 普段は、この家で1人なんだって 急に胸が苦しくなっても それを悲しいとか、寂しいとか 思わないように、考えないようにしていた。 でも、熱を出した時は・・・ そんな強がりも どこかへ身を潜めてしまって 夜中に何度も目が覚めて、 その度に1人だって事を思い知らされて。 不安で・・・悲しくて、寂しくて、辛くて・・・ 気がついたら 泣いている自分がいて。 そして・・・・ そんな自分が大嫌いだった。 悲しい。 寂しい。 辛いよ・・・。 助けて・・・・ 助けて。 そんな事、思っちゃダメなのに。 誰も助けてくれないのに。 だけど もう1人は嫌だ・・・・ ──ふふ。ひとりは嫌だよね? うずくまる足元から 黒いなにかが這い上がり、迫ってくる。 「い、いや・・・・だ・・・・っ」 怖い・・・・ 暗い・・・・ 寒い・・・・ ──黒い手が僕の手を掴もうとした、その時・・・・ 突然、意識が浮上した。 白い天井・・・・保健室・・・・ ぼんやりと誰かの話し声が聞こえる。 この声・・・・は・・ 『あ・・きら・・・くん』 目を開けると・・・本当に晃くんがいた。 『あっ・・・ごめん。起こしちゃった?』 『ん・・・ん・・・よか・・・った・・・・』 晃くん・・・、来て・・・くれた。 また・・・・僕を助けてくれた・・・・ 『ん?・・・なに?』 聞こえなかったのか、晃くんの顔が近づいてくる。 今、見たばかりの夢のせいで 寂しさと不安で いっぱい・・・だったけど 晃くんの顔を見た途端、 それが嘘みたいに消えて・・・ 安堵感から、ポロっと涙が1粒 零れた。

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