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誤解と誤算★25
* * * 遊・side * * *
晃くんは・・・
いつも僕を暗闇から救ってくれる。
僕の大好きな人・・・。
あの頃は誰も助けてくれなかった。
誰も来てくれなかった・・・
だけど、晃くんは来てくれた。
誰も来ないと思ってた僕のところに。
『・・・バカ。来ない訳ないでしょ・・・』
『だっ・・て、ぼ・・・く・・・・』
悪い子だから。
いらない子だから。
『ゆーぅ?俺の愛を舐めちゃダメだよ?』
『・・・・・あきら・・・くん・・・』
優しく触れる指が涙を拭って、おでこに唇が触れる。
ああ・・・。
すごく、あったかい。
晃くんの手も、唇も、心も。
全部、全部。
『晃くん・・・好き・・・・』
大好き。
穏やかな空気に包まれて、
2人で微笑み合う。
すると・・・・
『君たち・・・俺が居るの 忘れてるよねぇ~?』
と、白衣の人の呆れるような声がした。
あ・・・・////。
ここ、保健室だった・・・・。
晃くんに おんぶしてもらって保健室を出て、
大学構内をゆっくり歩く。
周りの人の視線が、僕たちに向けられているのを
ひしひしと感じる。
僕は全然 平気だけど・・・晃くんはどうだろう。
それより、重くないかなぁ。
でも離れたくないな・・・。
素直に晃くんに聞いてみたら、
僕を降ろす気は これっぽっちも ないみたいで
僕もまた少しツラくなってきて
それ以上は何も言わずに、素直に頷いた。
気づけば、いつの間に来たのか
中野くんも一緒になって
駅まで着いてきてくれて。
心配してくれているのが伝わってきて、
すごく嬉しくて・・・。
もう、あの頃の僕とは違うんだ。
1人じゃないんだ・・・って
そう、実感した。
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