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誤解と誤算★27
* * * 遊・side * * *
その後も、浅い眠りを繰り返して
夜中に何度も目を覚ました僕。
昔と同じように暗い部屋で独りぼっちなのか・・・と
心細くて、不安になって目を開ける。
そうすると、晃くんがギュッと手を握って
「大丈夫だよ」「俺がいるよ」って笑ってくれて。
・・・僕はもう1人じゃない。
僕を暗闇に引きずり込もうとする何かは
今は もう いない。
『遊・・・大丈夫だからね。ずっと傍にいるから。』
晃くんの優しい声を聞きながら
僕は、何度目かの眠りに就く。
今度は、朝まで目が覚める事はなかった。
☆
☆
☆
『ん・・・・・』
カーテンから漏れる光が、僕に降り注ぐ。
もう、朝・・・?
まだ、ボーっとした頭で辺りを見回す。
すると───
晃くんがベッドに突っ伏して眠っているのが見えた。
ホントに朝まで傍に居てくれたんだ。
そっと手を伸ばして、晃くんの髪に触れる。
じわじわと嬉しさが込み上げてきて・・・
泣きそうになる。
晃くんは・・・僕を大事にしてくれてる。
それなのに僕は・・・勝手に怒って、
勝手に飛び出して・・・熱なんか出して、
迷惑かけて・・・。
『ごめんね・・・』
申し訳なくて呟くと、伏せたままの晃くんが
『バカ・・・・』
そう言って、顔を上げた。
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