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誤解と誤算★33

* * * 遊・side * * * 『んー ・・・・・』 あったかい・・・。 気持ち・・・いいなぁ。 晃くんの匂いがする・・・。 晃くん・・・・。 パチッと目が開く。 体が軽くて、すごく気分がいい。 すっかり良くなったみたい・・・ しっかり僕を抱きしめている晃くんを見上げると・・・ まだ スースーと気持ち良さそうに眠っていた。 僕も、もっともっと晃くんに しがみついて もう1度、目を閉じる。 ずっと こうしていたいな。 ずっと ずっと 一緒にいたい。 大人になっても。 おじいちゃんになっても。 『ふふ・・・っ』 『ん・・・ん?ゆー?どしたの・・・?』 あ・・・・。 起こしちゃった・・・。 まだ寝ぼけている晃くんは、目を開けたり 閉じたりしながら、フワ~ッと欠伸をした。 そして、思い出したようにパッと 僕を見た。 『あ、ゆー。具合い、どう?』 『うん。もう大丈夫・・・』 『そっか・・・』 『うん。晃くんのおかげ・・・』 『そっか・・・』 『・・・ありがと』 『うん』 手が伸びてきて、晃くんの上に乗せられる。 チュッと髪にキスされて、ギュウギュウ 抱きしめられて、晃くんが言う。 『なに笑ってたの・・・?』 『え?』 『さっき、楽しそうに・・・いい夢 見たの?』 『ああ・・・うん。ふふっ・・・』 『えー、なにー?聞きたいー。』 『んー。どうしようかなぁ。』 『えー。教えてー。』 『ふふ、あのね・・・?』 ずっと一緒にいるのを想像してたら、 僕と晃くん、おじいちゃんになってるのに ギューってしてるの! 今みたいに。 そうしたら、想像なのに 嬉しくなっちゃって・・・ だってね? 2人、すごく幸せそうに笑ってたんだ。 しわくちゃになって。 って、さっき想像した事を、興奮ぎみに 晃くんに話した。そしたら・・・・ 『なぁんだ・・・・ふーん。』 って、素っ気ない返事。 『えぇー?なんだ、って・・・むぅ。晃くん  ・・・・冷たい・・・・。』 せっかく楽しい気分だったのに。

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