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誤解と誤算★40
* * * 遊・side * * *
『あ、電話。』
お昼ご飯を食べた後、
ソファーでくっついてテレビを観ていたら
晃くんのスマホが鳴った。
『はい。あ。・・はい、大丈夫です。』
『熱も下がりました。』
『はい、ありがとうございました』
『え?ああ・・・はぁ・・・分かりました。』
晃くんはスマホを手に、何度も何度も
深々と頭を下げている。
・・・・・誰?
電話が終わると、なんだか疲れたように
ぐったりとソファーにもたれ掛かった。
『誰から?』
『あ・・・今の?大学の保健室の・・・』
『え?』
『あの昨日、夜に来てくれて・・・』
『あ、あれ夢じゃなかったんだ・・・』
『まー、助かったんだけど・・・さ。
なんか・・俺たちの写真が欲しいんだって。』
『写真?』
『可愛いのが好きとかで、可愛いコの写真を
集めてるんだって・・・』
『ああ。・・・なるほど。』
変態ちっくだと思ってたけど・・・
ホントに変態だったんだ。
『あ、明日は1限め 休講だって。
それ以降はホームページで確認しろって。』
『そうなんだ・・・』
『遊、明日は・・・』
『あ、大丈夫。行けると思う。』
『そか・・・。じゃあ、晩ごはん食べたら
早めに寝よう。』
『うん。』
晩ごはんも晃くんが作ってくれた湯豆腐 。
「手抜きでごめん」なんて謝られたけど
普段、料理をしない晃くんが、僕のために
考えて作ってくれたんだもん。
嬉しくない訳ない。
ありがとう。晃くん。
大好きだよ。
長い年月が過ぎて、おじいちゃんになっても
この事は忘れない。
きっと。
ずっと。
* * * 誤解と誤算・ おわり * * *
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