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誤解と誤算★29
* * * 遊・side * * *
『すぐ!すぐ戻るから!』
晃くんは、そう言って
バタバタと台所へ走っていって・・・
ペットボトルを手に戻ってきた。
『はい!』
『あ、ありがと・・・』
やっぱり
飲みやすいようにストローをさしてくれてる・・・
そんな晃くんの優しさを感じながら
スポーツドリンクをゆっくり飲んでいると
お腹がキュルキュルと控えめに鳴った、
『あ・・・・・・/////』
『お腹空いた?ご飯にしようか』
『う、うん・・・////』
『お腹が空くって事は元気になった証拠!
何か食べれる?』
『・・・うん・・・』
『よっしゃ!プリンにする?
それともお粥でも作ろうか?』
『えと・・・じゃあ、お粥・・・・・』
お粥と聞いて、晃くんの顔が分かりやすく
パアァーっと輝いた。
『すぐ作るからっ!俺、昨日 すっごく
上手に出来たんだっ!』
と、張り切ってキッチンへ飛び出して行く晃くん。
当然、僕は1人 取り残されたワケで・・・・。
それでもしばらくは、
ちゃんと寝て待ってなきゃ・・・って思って
横になって じーっとしてたけど
晃くんの姿が見えないだけで
どんどん寂しくなってきて・・・
ガマン出来ずにベッドから抜け出した。
ふらつく足で部屋を出て・・・
お粥を作っている後ろ姿を見つけると
胸がキューってなって
たまらず僕は晃くんに後ろから しがみついた。
『──わっっ!!び、びっくりしたぁっ!』
『晃くーん・・・・』
『ゆ、遊!?・・・ちょ・・・っ、危ないって!
火!火が・・・っ!てか!寝てないと・・・!』
晃くんが慌てて火を止めて、僕の方に向く。
『熱、すごかったんだから!
まだ起きちゃダメだってば~。部屋で待ってて?』
『・・・・・・・・・・うー・・・・』
分かってる・・・。
分かってるんだよ?
だけど、離れたくない。
『ここにいちゃ・・・ダメ・・・?』
晃くんを見上げて、おねだりしてみる。
『・・・・うっっ//////!!』
『ダメぇ・・・・・?』
『・・・・・う"っ・・・・・/////!!』
何故か真っ赤になって固まる晃くん。
『やっ////、いや・・////えと・・・その・・・///
も、もう遊ってば・・もう・・・///し、仕方ないなー。』
そう言って、僕をソファーの方へ引っ張って行く。
どうやら、お許しが出たみたい・・・。
えへへ・・・よかった・・・。
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