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最強の来訪者☆4

* * * 英道・side * * * 『英道~!どうしようっ、俺・・・どうしようっ!!』 『いやいや。だから落ち着けって。  何が どうしよう なんだ?なんか あんのか?』 『なんか・・・・・・』 その 一言で、突然 手を離したハル・・・は、 ガックリ両肘 両膝をついて顔を床に擦りつけ・・・ って、これ・・・俺から見たらお尻を突き上げて 誘ってるようにしか見えないんだけど・・・ うーん。エロい。 このままパンツ下げたら すぐ バックで突けそうな体勢。 ふふ。エロいなー。 いい眺めだなー。 『うあぁぁぁ~っ!!』 ・・・おっと。 違う、違う。 それは夜のお楽しみにとっといて。 『───なぁ、ハル。  言ってくれなきゃ分からないだろ?  なにが そんなに・・・怖いんだ?』 下心を押し殺し、肩を抱いて起こすと 半べそをかいたハルが、俺にギューっと しがみついてきた。 おお。 かわいいじゃねーか、くそぉ。 夜まで待てっかな、俺。 下心を押し殺し すっぽりと俺の胸の中に収まるハルの体を そっと撫でてやると、少し落ち着いたようだ。 『で?どうしたって?話してみ?』 背中を擦り、出来る限り優しく 問いかけてみる。 すると・・・さらに ギュッとしがみついたハルが おざおずと口を開いた。 『──ね、姉ちゃん・・・が・・・』 『ん?姉ちゃん?』 『うん。ね、姉ちゃんが・・・・』 『姉ちゃんが どうした?』 『ね、ね、姉ちゃんが・・・・!』 言いかけた その時、 タイミング悪く またもやハルの電話が鳴った。 反射的に画面を見たハルは・・・ 『ギャーッ!!』 と、一声 叫ぶと スマホを放り投げた。 慌てて手を出して、なんとかキャッチする。 (ミラクル!) 『あっぶな・・・・』 『うわーん!ヤバいぃぃぃ・・・!  出たくなーいっっ!!  でも出ないと・・・殺されるぅぅ・・・っ!!』 えらい物騒な・・・。 そんなに怖い人なのか・・・? とりあえず(出ないと殺されるらしいから) 通話ボタンを押して、ハルの耳にあててやる。 そして、俺も会話を聞き取ろうと スマホに耳を近づけた。 『やっと出た。はーるーおーみー?』 『は、は、はははははいぃっ!晴臣ですっ!  ごめんなさいっ!!』 「出るのおそーいっっ!!」 『はいぃぃ!ごめんなさいぃぃっ!!』 「今、ついたから。」 『はっ?ついた!?え!もう?!もう?!』 「すぐ行くから待ってなさい。」 ブツン。 プー、プー、プー ───あ、切れた。 ・・・・・・ん? ついた? すぐ行くから待ってろ? って事は・・・ 『来ちゃった・・・来ちゃった・・・っ!!  ど、ど、どうしようっ!!』 どういう事か聞こうにもハルは 祈るように両手を握りしめ天を仰いでて それどころではなさそう。 ・・・つーか、 なんの儀式だ? そんなパニック状態のハルを見ていたら 俺の方は逆に どんどん冷静になってくる。 要するに 今からハルの姉ちゃんが来るんだな? ウチに。 よし。 いずれハルの身内には会いに行かなければならない って思ってたんだ。 ちょうどいい。 やってやろうじゃねーか。 ハルは俺が守るっ!! 俺は静かに闘志を燃やしていた。

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