487 / 761
最強の来訪者☆6
* * * 英道・side * * *
『どうも。晴臣の姉です。』
ソイツ・・・・・いや、その人は俺を
上から下までなめるように見てくる。
とても友好的とは思えないし
非常に不快だが、とりあえず挨拶をせねば。
人として基本だからな。
『あ、あの俺、新見といいます。
はじめまし・・・』
『そんなのはいいから。お邪魔しても?』
『え。はぁ・・・どう『どうも』
最後まで言い切る前に
ハルの姉ちゃんは俺を押し退けて
ズカズカ奥へと(勝手に)入っていく。
『は~る~お~み~!いるの~!?』
『───っっ!!ギャーッ!姉ちゃんっっ!』
怒るより唖然として
玄関に立ちすくんでいると
奥からハルの叫び声が・・・・。
うーん。
これは・・・なかなかの強敵かも。
心配になって急いで俺もリビングに戻る・・・と、
ハルが早速 捕まって羽交い締めにされていた。
『はーるーおーみーぃー!
あんたって子はーっ!!』
『ご、ご、ごめんなさーいっ!』
『引っ越したって、メール1つで済ませて!その後 音沙汰なしってどうゆう事なの?!普通 兄弟 身内でも落ち着いたら “ 遊びに来て下さい ” とか言うものでしょう!それをあんたは何にも言わないで年末もお正月も帰って来ないとか!!一体どうゆうつもりなのよっっ!?だいたい誰かと一緒に住んでるのも内緒にして!こんないいマンションに住んでるなんて相手がどんな人か気になるでしょう?どうなの!?私、間違ってる!?間違ってないでしょう!?人として基本でしょう!?って事だから!私に分かるようにきっちり説明してごらんなさい!』
『・・・・・・ご、ご、ごめんなさいぃ・・・・っ』
『謝らなくていいから説明しなさい!』
『は、は、はいぃぃ・・・っ!』
・・・・・・・・・。
今の、どこで息継ぎしてたんだ?
すげぇな・・・
ハルは、羽交い締めにされたまま
しどろもどろに事の成り行きを
必死で説明している。
つーか。
ここに無理矢理 引っ越しさせたのは
俺なんだけど・・・。
ハルが可哀想になってきた。
ここは きっちり説明しなくてはいけないだろう。
『あの・・・引っ越しさせたのは・・・』
と、割って入ると・・・・
『あなたは黙ってて下さる?
これは私たち身内の話ですから!』
有無を言わさず、冷たく返された。
『・・・・・・・・・。』
───ムカ。
それは俺が赤の他人だから黙ってろ、
ってことか?
・・・ムカつく。
俺とハルは他人じゃねー。
『身内っていうなら!
俺も コイツの身内のようなものです。
俺たちは!これから ずっと一緒にいるんだから!』
そう きっぱり言い放つ。
すると、姉ちゃんは・・・
ハルから手を離し、俺の方に向き直った。
『それは、どうゆう事かしら?』
ともだちにシェアしよう!