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最強の来訪者☆14
* * * 英道・side * * *
桜子はため息混じりに続ける。
『でね?さすがの私もさぁ、
この子ってば、女も男も信じられなくなって
人間そのものが嫌いになっちゃうんじゃ・・・
って心配したのよ。
でも、助けてくれた人・・・あなたが、
自分の事を すごく大事にしてくれてるって
それは嬉しそうに話してくれて 安心したのに
調べてみたら その相手が まさかの英道!
バカやって適当に遊んでた、あんたが相手って!
別の意味で心配になってさー。
晴臣をもっと問い詰めてやろうと思ってたら
いつの間にか引越して 一緒に住んでるし。
これで昔みたいに適当に遊ばれて飽きて
捨てられたら今度こそ晴臣が壊れちゃう!
って思って、話をつけにきたの。』
『・・・・あっそ。』
『あ、そうそう。薫からも色々 聞いたのよー。』
『・・・・・へー。薫に会ったんだ?』
『ええ。デレデレ のろけやがって鬱陶しいって
言ってたわよ?』
『チッ。うるせーな。
自分はちっとも変わってねぇクセに』
『なんか・・・久しぶりに会ったけど
ふてぶてしい嫌な大人になってたわね。
高校生の頃は、薄幸の美少年!
なーんて言われてたのにさー。』
『ふは・・・っ!懐かしいな、それ。』
『今じゃ、美も少年も消え失せちゃって。
ま、いい男には変わりないけど。』
『んん?お前、もしかして・・・まだ?』
『やめてよー。もう何とも思ってないから。
あんなヤツ、別れて正解だったわー。』
『ふうん?』
『昔から顔だけ、なのよねー。』
『・・・・・・・・・だな。』
そう。
コイツは、桜子は「薫」の (ここ重要!)
高校生時代の彼女だった。
つまりは「薫」の元カノって事。
ったく、紛らわしい言い方しやがって。
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