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最強の来訪者☆15
* * * 英道・side * * *
薫の元カノといっても
俺たちと桜子は同じ高校ではなかったし、
「さくら」って名前しか知らなかったし、
そもそも薫も自分が付き合ってる彼女 について
多くは(というか ほとんど)語らなかったし。
全然 分からなかったわー。
にしても・・・・変わりすぎじゃね?
10年以上経ったとはいえ
あの頃と違いすぎて・・・・
同一人物とは思えねぇ。
つーか・・・・
『お前、今そんな感じ・・なのか?』
『そんな感じ?』
『いや、なんつーか、その格好・・とか・・』
『え?・・・ああ、これね?
あはは、違うわよ~。
すぐに気づかれたらマズいから変装したの!
んー。まー、でも、あんたは素で来ても
気づかなかったかもね?』
『う・・・っ。ま、まぁ10年以上たってるし・・・』
『薫は すぐに気づいたけど?』
『薫はお前と付き合ってたんだから
気づいて当然だろーが!一緒にすんなよ。』
『あー、なるほど。それもそうね。』
ふふっと笑う桜子。
笑った顔は あの頃と同じだ。
戦闘体制からの和やかな空気に
ホッと肩から力が抜けた。
ああ・・・やれやれ。
なんとか丸く治まってよかった・・・。
ハルの姉ちゃんが桜子ってのは、
かなりビックリしたけど。
・・・まぁ、逆にコイツで
良かったのかもな・・・。
『───さて。そろそろ、かしら。』
時計を見て、ボソッと桜子が呟く。
なにが?
と、聞こうとしたその時、
それが合図だったかのように
ガタンっと玄関から音がして・・・・・
『た、ただいま帰りましたーっっ!』
と、ドタバタ音がして
慌ただしく お使いに出されていたハルが
リビングに飛び込んできた。
おお。
ナイスタイミング、ハル。
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