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最強の来訪者☆16

* * * 英道・side * * * 『おかえり、ハル。』 『ひ、英道・・・!た、ただいま・・・あ、あの・・・』 見るからに 心配そうな顔のハル。 おそらく、怖い姉ちゃん(桜子)に 「歩け」 と命令され、ハルなりに出来る限り早く 歩いて行ってきたんだろう。 暖かいとはいえ、真冬の今、 息は あがり、額には汗が滲んでいる。 『晴臣。おかえりなさい。』 『──ひぃっ!!た、ただいまです!』 『ふふ。ちゃんと歩いたのね?』 『はいぃっ!!ちゃんと歩きました!』 『はい、お利口~。ケーキ置いて?』 『はいっっ!!』 ハルは、大事そうに抱えていたケーキの箱を ダイニングテーブルに恭しく置くと、 桜子に頭を下げ、また俺の方へと やって来た。 『英道・・・大丈夫だった・・・・?』 ギュッと俺の手を握る。 その顔はホントに相当 心配だったらしく ・・・今にも泣き出しそうで。 俺の事をそこまで案じていてくれたのか、と思うと 嬉しい 反面、桜子がいかにハルの脅威であるかを 思い知らされ、複雑な気分になる。 こういう所 薫と似てるんだよな・・・。 ドS同士、似た者同士で気が合ってたんだし。 ったく、もう。 『晴臣。』 そこに桜子が寄ってくる。 『は、ははははいいぃぃっ!』 慌てふためくハル。 桜子は、そんなハルの様子を満足げに見て にっこりと笑った。 『じゃあ、私は帰るから。  ケーキは仲良く2人で食べなさいね?』 『えっ!?ね、姉ちゃん、帰るの・・っ?』 『ええ。話はついたから。』 『え・・・・。は、話って・・・』 ハルは また不安そうに俺を見る。 『じゃあ。またね、英道。』 『おう。』 『・・・え?!英道っ??って・・・姉ちゃん??』 『英道、晴臣を頼んだわよ?』 『おう。任せとけ。』 『じゃあね。晴臣、また来るわ。』 『はい!・・・・じゃなくてっ!どういう事!?』 ちょこちょこ後ろを着いて歩くハルの言葉を 完全に無視した(ドSな)桜子は あっさりと帰っていった。 ああ・・・疲れた。 『英道っ!・・・今のなに?どういう事!?』 ソファーにぐったりと座り込むと、 玄関まで見送りに行っていたハルが バタバタと戻って来た。 訳が分からない、って顔で。 ああ、そうだよな。 きっとまだ不安だろう。 説明してやらないと。 『ハル。おいで。』 膝を叩いて両手を広げると照れ屋なハルが なんとも素直に膝の上に乗って・・・・ 抱きついてきた。 『英道・・・っ・・』 首筋に顔を埋めて、じっと動かないハル。 普段は恥ずかしがって、無理矢理 胸の中に 閉じ込める事が多いけど。 不安だったり、怖かったりする時は こんな風に かわいく甘えてくる。 ったく、もう。 こんなかわいいヤツ、 手離せる訳ねーだろ。

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