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最強の来訪者☆17
* * * 英道・side * * *
さて、どう話そうか。
早く安心させたいし・・・・結論から言うか。
『えーと、・・とりあえず俺たちが つきあうのは
許してもらったから 安心しろ。』
ハルの背中を撫でながら、
出来るかぎり 優しく囁く。
『え・・・・。えっ!?ホ、ホント・・・?』
今度は、ガバッと顔を上げたハルの頭を
よしよし と、撫でてやる。
『ああ。もし反対されたら俺たちの味方になって
家族を説得してくれるってさ。』
『え・・・!姉ちゃんが・・・・味方に・・??
なんで・・・・???
────────あああ!そうだっっ!
英道っ、姉ちゃんの事、知ってんの?!』
さっきよりは元気になってきたけど
まだ、心配そうで不安そうな顔。
うーん。
桜子が電話をよこしてから ずっと
こういう表情 しか見てない気が・・・・
『あー、うん・・・まぁ。高校時代に ちょっと・・。』
『高校生の時?』
『あー、その桜子は薫の元カノなんだよ。』
『・・・・・・・へ?かお・・・・る?』
『晃が働いてる居酒屋の店長、
そして、俺の悪友 薫・・・・の元カノ。』
『え・・・・・・・、え、え、えぇ───っっ!?』
『ったく、世間て 狭いよなー。
アイツがハルの姉ちゃんとは・・ビックリだわ。』
そう言うと、
ホッとして笑うかと思いきや・・・、
ハルは目に見えて シュン・・・となって
項垂れてしまった。
『ハル?どうした?』
『・・・・・・・・・』
『ハル?』
『・・・・・・・・・』
・・・・・・・・・・・?
何か落ち込むような事 言ったっけ?
『ハル~?』
『英道ぃ・・・。』
ようやく顔を上げたハル・・・・
って、なんで涙ぐんでんだ?
『な、なんだ?どうした?』
『英道・・・・俺が弟なの・・・イヤじゃない・・・?』
『は・・・・・・?なんで。』
『だって・・・姉ちゃん、あんなだし・・怖いし・・・』
『ハルはハルだろ。
アイツが誰でも関係ねーよ。』
『ホント・・・?』
『ああ。
アイツが どんなに性格悪かろーが、
ドSだろーが俺は別に怖くねーし
変なこと気にすんな。』
『・・・・うん。』
『俺はハルと居られれば それでいい。』
『・・・・っ、うんっ・・・俺も・・・英道といたい・・・
英道と居られたら それだけでいい・・・・!
ありがとう・・・・英道ぃ・・・・!』
やっと・・・
やっと安心した様子でハルが笑った。
って、泣き笑いだけどな(笑)。
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