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最強の来訪者☆28
* * * 英道・side * * *
『桜子、お前・・・どうやって入ってきた・・・』
まあ、聞かなくても予想はつくけど
一応、牽制の意味も込めて聞いてみる。
『あは。それね?
たまたま入る人がいて、着いて入ったのよ。
ラッキーだったわぁ♪』
悪びれる様子もなく、
桜子は嬉しそうに答える。
『・・・・・・・・・』
やっぱり・・・・・・・。
ったく、前に入ろうとしてたヤツ。
こんな どう見ても ヤバい女、入れんじゃねーよ。
何のためのオートロックだよ。
『晴臣は?』
『いるけど・・・・』
チラリ、とハルが逃げていったリビングの方に
視線を向ける。
『そう。じゃあ、お邪魔するわね?』
なんて聞きはしたものの、俺の返事は待たずに
ズカズカ勝手に入っていく。
『おい・・・はぁ。もう、なんなんだ・・・・・・』
今日も邪魔されるのか・・・
腹立たしく思いながらリビングに戻ると、
昨日と同じく ハルはソファーの上で
小さく丸まっていた。
『あははは!晴臣ったら♡なんで脅えてるのー?
かわいい~っっ!』
ガタガタ震えるハルを見て、ケタケタ笑う桜子。
・・・・・ホントにドSだな、コイツ。
『おい、桜子。何しに来たんだよ。』
だけど桜子は俺の問いかけには答えず、
壁の時計をチラリと見て
『そろそろね。』
と、呟いた。
『は??』
そろそろ?
何が?
今度は 聞くより前に
桜子は さっさと玄関へ戻っていってしまう。
『???なんなんだ。』
帰った、とか??
なら、ラッキーなんだけど。
しかし、それも予想どおり裏切られ
玄関から ガタガタと音がして
『お邪魔しまーすっ!!』
『きゃーっっ!!』
『晴臣ーっっ!!』
けたたましい声と共に
女たちが なだれ込んで来た。
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