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イケメン王子の誘惑☆5
* * * 遊・side * * *
『だーかーらー、しませんって!』
『えー、なんで?』
『なんでって、なんでもですっ!』
『えー。いーじゃん。1回だけ。ね?』
『イ・ヤです!』
『いーじゃん。
晃くんには内緒にしててあげるからさー。』
『・・・・そういう事じゃなくて・・・・
っていうか晃くんの事、知ってて
なんで誘うんですかっっ!!』
『えー?デートしたいから?
あ。じゃーさ。1回だけ!1回だけしよ?
そしたら後はもう一切 付きまとわないから。
ね?』
『・・・・・・・・・』
1回・・・・・だけ?
ホントかなぁ?
───なんて。
『信用できません!』
『えー?・・うーん。なかなか しぶといね、キミ。』
それは、あなたでしょーが。
これだけ断っても、
まだムダに爽やかな笑顔とキラキラ・・・
うーん。
だんだん鬱陶しくなってきた・・・・・
思いっきり頭、叩いたら 記憶が消えないかなぁ。
そうなるなら遠慮なく、力いっぱい叩くのに。
どうしたものか・・・と ぐるぐる考えてたら
晃くんと中野くんが歩いてくるのが見えた。
あ。晃くん・・・・・!
ホッとして、そっちの方を思わず
見つめていたら、キラキラさんも
僕の様子に気がついたようで・・・
『あ。あれのどっちかが晃くん?』
なんて聞いてきて
そして、パッと立ち上がった。
『え?あ、ちょっと・・!晃くんに何を・・・』
『ふふ?挨拶するだけ♪』
『挨拶って・・・・』
『まー、いーからいーから。』
全然よくないっ!!
ホントに殴りたい!
晃くんが、僕の横に立つキラキラさんに
気づいた。怪訝な表情になって、慌てて
小走りで僕のもとへとやって来る。
『ゆー!』
『晃くん・・・・・』
『どうしたの?・・えーと・・・誰?』
『あ、あのね・・・・・』
『はーいっ!』
そこに、キラキラさんが割り込んでくる。
顎に手をあて、ビッシリ ポーズを決めて。
『どうも、こんにちは!』
ああ、爽やか・・・。(ムダに。)
うわぁ・・・・・・
困ったなぁ・・・・・
これから、どうなるんだろう。
もう やだ・・・帰りたいよー(泣)
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