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イケメン王子の誘惑☆12
* * * 遊・side * * *
そして、水族館デート当日。
大学の最寄り駅で待っていると、
白い軽自動車がキキーッと派手にタイヤを
鳴らしながら駐車場に入ってきた。
その車は僕たちの目の前まで来ると
ガックン!と車体を揺らして停まり・・・
中から 王司さんが降りてきた。
朝から鬱陶しいほどの
キラキラを振りまいて。
『2人とも、おっはよー♪』
『『お、おはようございます・・・』』
車、軽なんだ。
なんかイメージと違った・・・。
てっきり 物凄く いい車に乗ってそうって、
勝手なイメージを抱いていた僕たち。
なんたって
名前が王司(王子)だし?
王司さんも僕たちの戸惑いに気づいたようで
『まだ親のスネかじりだからね。
中古の安いヤツなんだ~。』
なんて照れ臭そうに笑った。
・・・・・・・・・うん。
やっぱり悪い人ではないんだよね。
ちょっと好感度、上がったかも。
『じゃあ、乗って乗って♪』
『はい。お邪魔しまーす。』
『よろしくお願いします。』
僕と晃くんは後部座席に座る。
王司さんは「えー、寂しい!」って
言ってたけど、そこは無視。
さあ、水族館へ出発~♪
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