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イケメン王子の誘惑☆13
* * * 遊・side * * *
『わあぁぁぁーっ!』
『ぎゃ────っっ!!』
車の中、響きわたる僕と晃くんの悲鳴。
『や!大丈夫っ!大丈夫だよっ!』
『こ、怖・・・っ、怖いぃーっ!』
『ま、前見て、前ぇぇーっ!!』
『へ、平気だからっ!大丈夫だからーっ!!』
焦る王司さん。
キラキラも半減している。
急ハンドル、急加速に急減速。
右へ左へ蛇行する車。
そうなのだ。
王司さんは、壊滅的に運転が下手だった。
『わあぁぁぁーっ!』
『ぎゃ────っっ!!』
『大丈夫、大丈夫っっ!落ち着いてーっ!』
『大丈夫じゃなーいっ!』
『落ち着けるかぁーっ!』
☆
☆
☆
『ほら。無事に着いたでしょ?』
『『・・・・・・・・・・||||||』』
無事に?
無事に、なの?これ。
僕も 晃くんも
一気に老けた気がするんですけど。
もう既に、疲労困憊なんですけど。
水族館に入る前なのに・・・・
もう帰りたいんですけど。
『えー。体力ないねぇ、キミたち。』
運転が終わったからか、
鬱陶しいほどキラキラする王司さん。
うー。
・・・・もう殴る元気もない
疲れたぁ。
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