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イケメン王子の誘惑☆14
* * * 遊・side * * *
休日だから、人が多い。
チケット売り場に並んで、結構 待たされて
やっと自分たちの順番が来て
いざ、お金を払おうとした、その時・・・・
王司さんが急に
「俺が払うよ」って キラキラしながら
財布を取り出した。
その王司さんに対抗して 晃くんも
「いや、俺が払う!」って財布を取り出す。
『いや、俺が誘ったんだから』
『いや、遊を助けてくれたお礼だから』
って、2人で揉め出して・・・
チケット売りのお姉さんにも、
後ろに並んでいる人たちにと
冷たい目で睨まれてしまった。
結局、ここは各自払うことで
決着は ついたんだけど。
最初っから こんな感じで今日1日
大丈夫なのかなぁ・・・・。
中に入ったら、離れたトコロで
僕たちを見るつもりだったらしい王司さん。
だけど、今日は少しでも離れたら
確実に はぐれるレベルの人混み。
『すごいねー。魚より人を見に来たみたい』
なんて、
僕たちの服の裾を摘まみつつ
後ろを ぴったりくっついて歩く王司さんは
ハッキリ言って、ものすごくジャマ
なんだけど・・・そこは、考えないようにして
大きな水槽で泳ぐ魚たちを見て回る事にした。
『わー!晃くん、サメ~♪』
『ホント、目ぇ 怖~っ!』
『あ!エイだ~♪』
『おお!しっぽ、長~♪』
『わ!おっきい魚~♪』
『おー。うまそー♪』
『えー。食べるの~?』
『はは、やっぱ刺身だよねー。』
『ふふ、晃くんてば♪』
考えないようにしていたら、
ホントに王司さんがいることをすっかり忘れて
初めて見る大きな水槽と魚たちに
夢中になって
晃くんと2人でデートしてるみたい。
って、錯覚に陥っていたのだけど。
『─────っ!』
時折、熱い視線を感じて
思わず、振り向けば・・・
真剣な顔で、僕たちを見つめつつ
メモ帳になにやら一生懸命 書き込んでいる
王司さんの姿が・・・・・・・・・。
うーん
・・・・・なんか
ものすごく鬱陶しい・・・・・
わざと はぐれちゃおうかな・・
なんて思ってしまう僕・・・・・・・・・
なのだった。
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