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イケメン王子の誘惑☆16

* * * 遊・side * * * 『ふふふー♪なかなか いいと思わない?  ポイントよく おさえてるでしょ?』 『・・・・・どこが?』 『いやー♪やっぱり俺の思ったとおり、  遊くんってば かわいいね~♪』 『・・・・・どこが?💢』 水を 一口 飲んで、ジロリと睨めば 王司さんは ズイッと身を乗り出して 僕を ジーッと見つめてきた。 『あれ?今は、かわいくないなー。』 『・・・・・王司さんは 晃くんじゃないんで  可愛くする必要ないですからねっ💢』 『えー?あははー。おかしー。』 『・・・・・どこが?なにが?💢』 『だって~。かわいくしてるのって  晃くんの前で だけなの?』 『そ、そんなの・・・意識してやってる訳ないでしょ!  自然にそうなってるだけです!』 『自然に?』 『晃くんは・・・僕にとって特別だから。』 『あ・・・・そっか。なるほどねぇ~。』 納得した!って顔で、乗り出していた体を 元に戻す王司さん。 『特別な人に・・だけ、かぁ。』 と、呟いてた後、腕組みをして 上を向いて目を閉じる。 そして「うーん」と唸りながら 何か考え始めてしまった。 『・・・・・・?』 なんだろ? 僕みたいになりたい、とか 勉強になった、とか なんで そんな事 考えてるんだろ? 聞いたら答えてくれるかな? 手っ取り早く、聞いてみようと 口を開こうとした時、 晃くんが小走りで戻って来たのが見えた。 『ごめん!混んでたぁ!ゆー、平気?!』 『おかえりー。平気だよー。』 息を切らして帰ってきた晃くん。 だけど、王司さんは、考えに耽っていて 反応がない。 晃くんが、そんな王司さんの様子に気づいた。 『王司さん、どうしたの?』 『さあ・・・・?』 晃くんが王司さんの顔の前で手を振ってみたり 叩くマネをしたりしてみたりしても やっぱり反応なし。 結局、ご飯が運ばれてくるまで 王司さんは ずーっと そのままだった。

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