＊ ＊ ＊ 遊・side ＊ ＊ ＊ ご飯を食べた後、別館にある 「ペンギン館」にやって来た僕たち。 陸を ヨチヨチ歩き回ってる姿とか、 水中トンネルを泳ぐ姿とかが見られて ものすごく楽しくて見応えもあった。 人数制限で無理だったけど、触ったり、 一緒に写真も撮れたりするらしい。 かわいいペンギンを堪能して、大満足。 そして、イルカのショーを見るため、 本館に戻ったら･･･ 入り口の側に立っていた男の人が 僕たちの方に走ってきた。 『王司！』 『あ･････。』 固まる王司さん。 お昼に “考えるヒト” になってから、 存在感が薄れていた王司さん。 (まあ、 隠しきれないキラキラは出てたけど。) ペンギン館は人が少なくて 観察(？)するにはもってこいな状況だったのに 僕たちから離れて １人で ぼんやりして メモもとってなかった。 どうしたのかな？ って (一応) 気にはなってたんだよね。 走ってきたその人は、僕たちの前に来て ぺこりと頭を下げた。 『こんにちは。 　今日はコイツが無理 言って ごめんな。』 『『い、いえ･････』』 誰？ 王司さんの知りあい？ とか思っていると、 『俺、コイツの友達で、中村･･･』 『大地････来たんだ。』 自己紹介の途中で、王司さんが 割り込んできた。 『はあ？お前、朝から何回も何回も 　写真やら 居場所やら、 　やったら詳細に送ってきてただろーが！』 『だから･･来てくれたんだ。』 『そりゃ････････あんだけ しつこく 　“ 大地も来ない？ ”って言われりゃ 　来るだろー、普通。』 『うん･･･ホントに来てくれたんだ。』 ･･････？ なんか････王司さんが･･･ なんか･････急に･･･ かわいく････？？ 見えるんですけど！？ その時、隣の晃くんが ボソリと呟いた。 『ピンク･････』 『？？･･･ピンク？』 それっきり黙ってしまう晃くん。 その目は、王司さんを見たままで。 ピンク？？ ･････なにがピンクなんだろう？