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イケメン王子の誘惑☆23
* * * 遊・side * * *
でも。
なろうって思うと 王司さんとは
なかなか2人きりにはなれなくて。
ペンギン館も見終わって、
後は帰るだけ・・・に なってしまった。
『あー、楽しかったね 遊♪』
『・・・・・う、うん。』
出口に向かって歩いていたら
王司さんが お土産のお店の前で
ピタッと立ち止まった。
『ね、大地~♪お土産 見ようよ。』
『土産ー?なんでだよ。』
『えっとぉ・・・・き、記念に・・・・・?』
『記念ー?なんのだよ。』
『・・・・い、いいじゃんっ!』
『・・・んー。ま、いいけどさ。』
『やったー!』
『見るなら早く行こう。』
『はーいっ!』
『やれやれ。ガキだなー。』
その様子をくすくす笑いながら
見ていた晃くんが僕を見た。
『俺たちも見る?』
『あ、うん。じゃあ 一応・・・』
高校の時と同じで、
なるべく家からのお金は使わないようにして
生活費はバイト代から出すって決めてるから・・・
買うのは無理だろうけど
でも、見るだけなら いいよね。
『わー♡かわいい~!かわ・・・・、っっ!?』
た、高ーいっっ!
ぬいぐるみって思ってたより高い・・・!
1番 小さいペンギンでも
結構な値段がするのに ビックリ。
あーあ。やっぱり買えないや・・・・・
と諦めて棚に戻して売店を出ると
ちょうど会計を済ませた王司さんが
出てくるところだった。
『じゃー、帰るかー。』
『うん。遊くん、晃くん、ありがとー。』
『いえ、こちらこそ』
『楽しかったです。』
・・・・・・・・・後半は。
なんて思いつつ、外に出てから
ふと、大地さんが立ち止まった。
『そういや、今日って なんで来たんだ?電車か?』
『ん?んーん?俺の車~♡』
『───────はっ!?
んな・・・・っっ!く、車っっ|||||!?』
王司さんの車で・・・・と聞いた途端
大地さんの顔が、みるみる真っ青になり
衝撃を受けたように固まる。
『ま、まさか・・・・・お前の・・・運転で・・・・?』
『え?うん♡もっちろん♪』
『な、なんだとぉぉぉ・・・っっ!!??』
今度は、ガタガタ震え出す大地さん。
そして・・・ゆっくりと僕たちを振り返った。
『『・・・・・だ、大地さん??』』
『あああ・・・・・・・・・すっ、す、す・・・・・・・っ』
・・・・・・・すすす?
『すまなかった────っっ!!!』
大地さんは 突然 ガクリと両ひざを地面に着け・・・
全力の土下座で謝ってきた。
『・・・・・・・・・え?』
『・・・・・・・えぇ?』
な、なに?
なになになに???
何が起こったの・・・・?
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