552 / 761
イケメン王子の誘惑☆27
* * * 遊・side * * * *
『なんつーな、アイツ、必死じゃん?
俺のために頑張ってんの見てるのが
もう 楽しくてさー。』
なんてことを・・・。
王司さん(あれでも)悩んでるのに。
『趣味 悪い・・・。』
思わず呟くと、大地さんは
ちょっとだけ居心地 悪そうに僕を見た。
『・・・・・・・・・俺も最初は戸惑ったんだよ?
アイツ分っかりやすいから俺への気持ちは
すぐ気づいたんだけどさ、え?俺かよー、って。
でも、まぁ・・・王司ならイヤじゃないし
俺もじっくり考えたいし
しばらくは様子みようかと思って。
そしたら あまりにも必死で・・・
つい面白くてなー。』
『で、気持ちは決まってるんですか?』
晃くんが聞く。
『うん。手のかかるアイツと付き合えるの
俺ぐらいだからな。』
「そのうち ちゃんと返事するよ」と、
答えてくれたところで 王司さんが
戻ってくるのが見えた。
車を降りて、2人とサヨナラをして
別れた。
また、会う約束をして。
車に乗る前に、どっちが運転するかで揉めてたけれど
「練習したい!」と今度は引かなかった王司さん。
車は可哀想なくらいタイヤを軋ませて
去っていった。
大地さんは慣れてるからか、平気そうな顔を
してたけど、本心は分からない・・・。
あぁ、疲れた・・・。
でも、・・・よかった。
とりあえず、王司さんの片想いでは
ないみたいだし。
「そのうち」だけど、いつか必ず
想いが通じる日が来るって事だもんね。
・・・よかった。
よかったね。
『さ!俺たちも帰るか~!』
『うん。』
楽しかった水族館デートは終わって
夢から覚めたみたいな感覚。
早く家に帰って晃くんと
のんびり、まったりしたい。
『買い物して帰る?』
『うん。』
『あ!俺も刺身 食べたいなー。』
『んー。・・・安いのが あったらね?』
『うおー。奥さん、厳しいね~。』
『ふふっ。』
結局、お刺身は(高くて)買えなかったけど。
いつものように晃くんと
ご飯を食べて、
お風呂に入って 、
寝るまで
いちゃいちゃして、
ベッドに入ってからも
いちゃいちゃして、
いつもの日常に戻っても
いつものように 幸せで。
晃くんが居るから。
だから、僕は 幸せなんだ
って、改めて思った。
ともだちにシェアしよう!