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イケメン王子の誘惑☆29
* * * 遊・side * * *
『ね、今度は俺んち来ない?』
『え?』
『遊くん、料理できる?』
『あ、まあ・・・一応。』
『やった!色々 教えてよ!』
『え・・・でも・・・』
『なっ、待て待て待って!ダメ!ダメダメーッ!』
そのやり取りを聞いていた晃くんが、
風のごとく俊敏に僕たちの間に入って
僕を引き寄せる。
『ダメ!遊の料理は俺だけのモノなの!』
『えー?いいじゃん!晃のケチ!』
『ケチで結構。絶対ダメだからな!』
『うっさい!ね、遊くん、いつにする?』
『え・・・・』
この流れで、言う?
ホントにこの人は・・・。
『絶対、ダメ!!』
『えー。もう晃 あっち行ってて!』
『いーやーだーっ!』
『そんなに束縛してたら嫌われるよっ!』
『そんな事ないっ!』
『そんな事あるっ!』
もう・・・どうしてくれよう・・・この人。
頭 痛くなってきた・・・。
あー、殴りたい・・・(何回目だろーか。)
頭を抱えていると、
『こら!いい加減にしろ。』
そこに ずんずんと足音高く、やって来た
・・・大地さん。
『あ、大地・・・・』
『他人を巻き込むな。そして、巻き込むなら
俺だけにしろ。』
『え・・・・?』
『料理なら俺が教えてやる。』
『え・・でも・・俺、大地を驚かせたい・・・』
『お前のレベルだと俺が驚くほど上手くなるのに
最低でも10年は かかるから。』
『えっ!!ひ、ひど・・・・っ!』
『だから!』
そこまで言って、大地さんは ニッコリ
笑って、王司さんの頭を撫でた。
『何年かかっても、俺はお前の傍にいるから
ゆっくりいこう、な?』
『え・・・?あ、う、うん。ありがと。
と、友達だもんね、俺たち。友達だもん・・・ね。』
王司さんは、自分で言った言葉に凹んで
下を向いてしまう。
なんでーっ!!
ここで、なんで自分から友達って言っちゃうの!
も、も、も、もどかしい・・・っ!
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