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イケメン王子の誘惑☆32

* * * 晃・side * * * 水族館3人デート当日。 迎えに来てくれたイケメン王司の車は・・・・ 軽だった。 なんか意外だなぁ、と思っていたら 運転まで意外で・・・・・・ とにかく、下手くそ過ぎる。 そして、乱暴過ぎる。 これ、免許 持ってない俺の方が絶対上手い! ・・・・っめ思っちゃうほど。 うーん、 キラキラな見た目のイメージで なんでも器用にこなすタイプかと思っていたけど どうやら 残念な部類のイケメンらしい。 何度も道を間違え、 ようやく目的地に着いた頃には疲労困憊。 すぐに家に帰って休みたい って思ったくらい。 入場料を払う払うで揉めて、さらに疲れて やっと中に入ってからも、俺たちの後ろに へばりついて、何やら一心にメモなんか とってるし、しかも。その目は遊に釘付けだし。 確かに遊は、かわいいけどさ、 そんなに見るなよー、 俺だけの遊なのに・・・・・・! なんて思ったり やっぱり遊と2人で来ればよかったなー。 遊が かわいいのなんて、当たり前だし。 そんなの俺だけが知ってればいいんだから。 そういや イルカのショーだの、ペンギンだのって なんとかデートしたい王司さんに誘惑されてる時の遊は、分かりやすいくらいグラグラしてて、ものすごく可愛かったなぁ。 水族館に行きたい、 って、もろに 顔に書いてあったもんなぁ。 ん? そこで、ふと俺はある思いに囚われる。 うーん。 っていうかさ? 俺、遊は俺と同じインドア派だと 思ってたけどさ? 新見さんたちと行った遊園地もそうだったし 今回の水族館も・・・だし、 遊ってさ、もしかして 外に出かけるの、好き・・・なのかな? 小さい頃から、家族で行きそうな場所には 連れてってもらった事ないみたいだから これからは、どんどん外に出ていくのも アリだな。 もちろん、2人で。 遊が楽しみにしていた イルカのショーは 時間的にタイミングが合わなくて 見るのは午後になった。 あれこれ考えてばかりいたら、トイレに行くタイミングを逃してしまい、昼食のレストランに入って すぐトイレに行きたくなってしまった。 2人きりにするのは、ちょっと・・・いや、 かなり不安だけど。 まぁ・・・・大丈夫だろう。 すぐ戻ってくるし! 待ってろよ、遊! マッハで戻ってくるから! 『うがっ!』 でも、こんなときに限って・・・ トイレは大渋滞。 最悪だーっ!!

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