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イケメン王子の誘惑☆34

* * * 晃・side * * * 大地さんが来てからというもの 王司さんは王子というより 恋する ただのキラキラ男に変わってしまった。 うーん。 非っ常に、分かりやすい。 時おり、 顔を寄せて楽しそうに話す2人を見ていると・・・ ただ 仲がいい友達同士には見えないんだよなぁ ・・・俺には。 まあ、でも・・・ 男同士って、世間に少しずつ理解されてはいるけど やっぱり・・・難しいところもあるよな。 だってさ、自分がどんなに好きでも 相手が完全拒否!だったら もう どうしようもないんだし。 下手すりゃ、恋も友情も いっぺんに 失ってしまう。 ・・・うん。 それは、怖いよな。 俺が・・・遊に告白した時は 怖さも何にもなかったし、絶対うまくいく!って 自信しかなかった。 何故だか分からないけど。 でも・・・今、思い返せば・・・よく やったな俺!って 遊を振り向かせたこと、自分で自分を誉めたくなる。 とはいえ・・・・・と、 大地さんを見れば、王司さんを 受け入れそうな雰囲気は・・・・ ある・・・気がする。 2人の距離が 異常に近いんだ。 友達の距離じゃないんだよなぁ。 おっと。 考えてばかりで、イルカのショーを 見てなかった。 遊は楽しんでるかな? と、隣を見ると・・・・ 遊も何やら難しい顔をして考え込んでいる様子。 遊も・・・2人の事を考えているに違いない。 きっと。 遊は俺より誰より優しいから。 『ゆー、見てる?』 と、つついてみると。 ハッとした遊に何を考えてたのか聞けば、 やっぱり思ってたとおりで。 "なんとかならないか"、って "何か してあげられないか"、って。 あんなに 楽しみにしていたイルカも 見られないくらい悩んで。 やっぱり、優しい遊。 俺の大好きな遊。 悩んでる遊には悪いけど、そんな事より イルカを見てほしい。 とりあえず 王司さんの方から何かしてって言ってくれたらで いいんじゃないかと遊を諭してみると 『うん・・・・そうする。』 素直に頷いた遊。 そんな遊がかわいくて、そっと遊の手を 周りに見えないように握りしめた。 『遊のそういうとこ、好き、俺。』 どうしても 伝えたくて 遊にだけ聞こえるように小声で言えば 遊が真っ赤に染まっていく。 『え・・・や、その・・あ、あり・・・がと・・・///』 かーわーいーいー//////! 抱きしめたーいっ! チューしたーいっっ! ガ、ガマン!ガマンだ・・・俺! 『へへ///。さ、イルカ 見よ?』 『うん。』 そう言って、照れ隠しと暴走を止めるべく 前を向いた。

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