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イケメン王子の誘惑☆36
*** 晃・side ***
頑張る王司さん。
でも、雲行きが怪しくなってくる。
俺が言ってた台詞を大地さんが
そっくり そのまま言ってくれる訳もなく、
なんとか会話を成り立たそうとした結果
どんどん噛み合わなくなってきて・・・・
棒読みになる王司さん。
心なしか
キラキラもくすんできている。
『・・・なに?お前、さっきから変だぞ?』
大地さんも王司さんの違和感に
気がついたみたいで マジマジと
王司さんを見つめている。
────と、
王司さんが涙目で遊を見た。
その口が「助けて」と動く・・・けれど
遊も咄嗟の事に固まって動けなくて
気まずい空気が広がる。
ああ、もう!
仕方ないなーっ!!
いっちょ、俺が頑張るかっ!
『俺、コイツ食ってみたい♪』
と、すかさず 王司さんの側に行って
悠々と泳ぐエイを指差す。
これをきっかけに会話がまた動き出す。
遊が王司さんに負けないくらい
キラキラした目で俺を見てくれて
俺の機嫌はマックス最上級~っ♪♪
あーっ!
もう、抱きしめて いいっすか!?
チューして いいっすかーっ!?
ウキウキしていたら、大地さんが
お腹を擦りながらボソッと呟いた。
『なんか俺、刺身 食いたくなってきた・・・・・・』
『え?大地、お昼 食べてないの?』
『いや。・・・・・食ったばっか。』
『ぶはっ!なにそれー!』
『うっさい!お前が刺身刺身 言うからだろ!』
『大地、かわいーぃ!』
『うっさい!可愛くねぇわっ!』
『あははは♡』
和やかな空気に戻って王司さんのキラキラも復活。
いい感じにじゃれあう2人。
やれやれ。
にしても 刺身・・・かぁ。
俺も食べたいなー。
遊に強請ってみようかなー。
倹約家の遊は、何て言うかな。
多分、無理・・・だろうな(笑)
っていうか、あの2人・・・
既に 夫婦じゃね?
・・・・・・うーん。
あの距離感、雰囲気。
大地さんは王司さんの気持ちに
・・・・気づいてると見た。
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