563 / 761

イケメン王子の誘惑☆38

*** 晃・side*** 大学の最寄り駅に着いて、すぐ王司さんは トイレに走っていった。 車内に残るのは、疲れたのか ぼんやりしてる遊と ・・・・・大地さん。 うーん、どうしようか。 確信はあるけど、聞いてみたい。 ・・・ま、いっか。 聞いちゃお♪ 運転席へと身を乗り出して、 王司さんの気持ちを知っているのか 聞いてみる。 『あ、晃くん・・・・っ』 遊が焦った声を出すけれど 聞きたい事を聞かずにいるのは どうにも気持ちが悪くて。 怒られても、答えてくれなくても 聞くだけ聞きたい。 それで、怒られたら仕方ないし 答えてくれたらラッキーじゃん? すると、遊の心配をよそに 大地さんは 頷いてくれた。 やっぱり。 次に、どうするのかって聞くと 大地さんは、 悪~い顔でニヤリと笑って言う。 「しばらくはこのまま放置」って。 自分のために必死な王司さんが面白いんだって。 ・・・・悪趣味な。 俺だったら、すぐ「俺も好きーっ!」って 言っちゃうのに。 両想いなのに放置とか・・・勿体ない。 『趣味 悪い・・・。』 思わずといった感じで 遊が呟く。 すると、大地さんは ばつが悪そうに振り返る。 遊みたいな純粋なタイプの人に こう言われると、堪えるんだよな(笑) 言い訳らしき事を並べる・・・けれども、 やっぱり必死な王司さんが面白いらしい。 でも、まぁ・・・もう気持ちは決まってて 「そのうち」返事をするつもりなんだって 言うから少し安心した。 「アイツと付き合えるの俺ぐらいだから」 なんてさ、名言 聞けたし。 王司さんが戻ってきたタイミングで 車を降りて、2人とサヨナラをして 別れた。 また、会う約束もして。 あぁ、疲れた・・・。 でも、・・・楽しかったなー。 『さ!俺たちも帰るか~!』 『うん。』 いつもの電車に乗ると、どんどん現実に 戻っていく感じ。 早く家に帰って遊と のんびり、まったりしたい。 結局、強請ってみたけど刺身は(高くて) 買えなかった。 なんてったって うちの奥さん、節約上手だから(笑) いつものように遊と過ごす夜。 いつもの日常に戻っても いつものように 幸せで。 ああ、 俺って 幸福者♪ うーん。 この幸せを後回しにするなんて・・・ やっぱ、勿体ない!! 勿体ないよー、大地さん!! いつか、言ってやろ。

ともだちにシェアしよう!