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恋のはじまり??☆1
* ** 中野・side ***
コンビニバイトの可愛い女の子。
俺の理想が服、着てるっっ!
初めて見たとき、マジで そう思った。
(俺の理想は服 着てないのか?とか
くだらない事は言わないよーに。)
それからは毎日のようにコンビニに通いまくり
なんとか顔を覚えてもらおうと頑張った。
───それなのに
勇気を出して、告白したら・・・
可愛い可愛い理想の女の子は
女装した男!!
なんて悲惨な結末。
晃には笑われるし
(その明るさに救われたのも事実だけど。)
酒を煽って二日酔いに苦しむし
(しかも2日連続。)
散々な思いをして
もう恋なんてしない~
までは・・・言わないけど。
しばらく恋なんてしなくて いいやって
くらいのダメージは受けた。
そして・・・
しばらく経った
(まだ結構なダメージの残る)クリスマスの日。
俺は迂闊にもヤツに再会した。
・・・してしまった。
その日、俺は
きっとクリスマスまでには彼女が出来る!
そう信じてバイトを休みにしていたのだけど
・・・見事に玉砕。
カップル溢れる街中を
独り、肩身の狭い思いで歩いていた。
あー、
あっちもこっちもカップルばっか・・・!!
何もかもが面白くない!
もう家に戻ろう!
家でやけ酒じゃっ!!と、
何の気なしに入ったコンビニは・・・
・・・あの女装男に会うために通いつめた
あのコンビニだった。
うげっっ!!
最悪っっ!!
俺のバカッ!!
・・・ここはやめて
別のコンビニに行こ・・・
逃げようとした俺を、アイツが呼び止めた。
話したい事があるから待っててほしい、と。
今さらなんだ?
と思わなくはなかったけど
どーせヒマだし
仕方なく(仕方なく、な?!)ヤツの仕事終わりを待って
公園で話した。
その内容はというと・・・
実はヤツも俺の事を好き(!)になってて
俺の告白が嬉しかった、
でも自分が男だと分かったらフラれてしまう
だから先に(ヘンテコな格好までして)断った
だけど、ずっと後悔してて
きちんと告白してフラれたい、
そういうものだった。
正直、その告白は嬉しかった。
俺が好きになったイメージどおりだったから。
でも俺は・・・男とは恋愛なんか出来ない。
でも、ここでスッパリ フッて
このままコイツと会えなくなるのはイヤだな・・・
そう思った俺は
“ 恋人は無理だけど友達になりたい ”
と、伝えた。
するとヤツは「それでもいい」と答え・・・
俺は、桜田 伊吹 と友達になった。
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