574 / 761
恋のはじまり??☆2
* * * 中野・side ** *
☆
☆
『中野くん、お待たせ!』
『・・・ども。』
2人で会うのは、これで何回めか。
はじめは何となく、ギクシャクしてたものの
最近では大分、打ち解けてきた・・・気がする。
『学校どうだった?』
『うん。今日はお芝居した。面白かったよー。』
『へー。』
伊吹は、週3で声優の養成学校に通っている。
歳は、俺より上の22歳。
親の希望で普通の?大学に入ったものの
どうしても声優になる夢を諦められず
反対を押しきって 大学をやめて
今の養成学校に入り直したらしい。
で、自分の好きな事をさせてもらってるから、と
学費は自分が負担。
あいてる時間は バイト三昧。
学費を稼ぐために
少しでも時給のいい男の娘barで 働いているけど
あくまで、コンビニがメインらしい。
いつものようにファミレスで待ち合わせをして
前の席に座る伊吹をさりげなく見れば、
うっすら化粧してるけど、服装は かなり地味。
あの衝撃的だった
出来損ないのアイドルみたいな格好は
男の娘barの衣装だったらしい。
──で、俺をフッた、あの時
なんであの格好で出てきたのか
ずっと気になっていたから 聞いてみたんだけど・・・
自分を女の子だと思ってるだろう俺を
傷つけないように考えに考えて
咄嗟に起こした行動で
・・・とにかく俺に
「こんなヤツに フラれてよかった」と
思わせたかったんだとか。
───だからさ。
やり方は どうであれ、
やっぱり・・・・
悪い子ではないんだよなー。
どっちかっていうと
最初に抱いたとおり・・・・。
ともだちにシェアしよう!