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クリスマス

* * * 英道&晴臣の場合 * * * 『お前・・・ホントに食うのか?』 『え?うん。』 『今、メシ食ったよな』 『うん。』 『結構、食ったよな?』 『うん。』 『で、これも食うのか?』 『うん?もちろん!』 『俺、食えないぞ?』 『えええっ!?』 俺たちの目の前にドドーンッと 存在感を放っているもの、それは・・・ クリスマスの定番(但し、日本だけらしいが) 生クリームたっぷり、苺もたっぷり、 直径18㎝のホールケーキ! 直径18㎝のホールケーキ。 (大事な事なので2回 言ってみた。) 晩メシに、チキンだ、ピザだ、パエリアだ、って 何でもかんでも食べたがるハルのために 今日は俺が腕をふるい、2人で たらふく食べた。 たらふく食べた。 (大事な事なので2回。) さすがに調子にのって食べ過ぎたな・・・と、 ソファーで休んでいると、 『英道~、見て見て~♪』 ニコニコのハルが 嬉しそうにケーキの箱を持ってやって来た。 げ。 マ、マジか・・・・。 さっき、一緒に買い物に出た時に、 「ケーキはいい!」って言うから 甘いモノ好きのハルにしては珍しいな・・・とは 思ったんだ。 思ったけど、まあ・・・ 今日はケーキよりメシ!の気分なんだろう、と 勝手に解釈して (だからこそ たらふく食べてしまった訳なのだが) マジか・・・ 買ってたのか・・・ ・・・でも せっかく買ってきてくれたハルには悪いけど 俺の腹には1ミリの余裕もねぇ・・・ 『ハル、わりぃ・・・腹いっぱい・・・』 『えぇっ!?じゃあ、これ俺1人で食っていいの?』 目を輝かせるハル。 『・・・・・は?』 ───なんだって? 1人で・・・・・・食う?・・・だと!? 『わー! 1回やってみたかったんだ~♪』 フォークを丸いケーキに突き刺し、 早速、食べ始めるハル。 目の前のケーキが恐ろしい速さで減っていく。 『・・・・・・・・|||||』 うげ。 ヤバい・・・見てるだけで胸焼けしそうだ。 俺の倍はメシ食ったのに どこにケーキが入っていくんだろうか・・・。 『ん~♪うっま~い!』 『・・・・・・よかったな。』 さすがのハルも、1個丸々は食べられず、 3分の1は残した。 それも、明日のお楽しみ、らしい。 しかし・・・ よく食うな・・・ 改めてハルの食欲に驚かされた俺だった。

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