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恋のはじまり??☆4
** 中野・side **
その日は、俺もバイトで
終わりの時間が、近いって事で
バイト終わりで伊吹と会うことになっていた。
明日は、俺は休みで特に予定もない。
伊吹は、珍しく午後からのバイトだけだから
久しぶりにゆっくり会える。
俺の方が早く終わって、
今日の 伊吹のバイト先・・・男の娘barへと向かう。
どんな感じの店か、行ったことがないから
分からないけど・・・伊吹の話では、
男の子版キャバクラ!みたいな感じ、らしい。
って、俺・・・、
キャバクラにも行ったことないんだけどさ。
酒、飲んでるけど未成年だし。
(注:お酒は20歳から!!)
店の近くまで来た時、なにやら争うような、
揉めているような声が聞こえてきた。
まあ・・・・この時間、
酔っぱらいとか多いしなー。
関わらないようにしよ。
面倒くさいし。
『いいじゃんかぁ~。ちょっとだけ
つきあってよ~♪ね~?♪』
『もうヤだぁ!やめて下さいってー!』
ん?
聞いたこと ある声のような?
揉めている2人の横を 通り過ぎる時に
チラリと横目で見ると、
バッチリ メイクに
出来損ないのアイドルみたいな服を着た・・・・・・
『・・・伊吹!?』
そう。
それは紛れもなく、息吹、その人であった。
『あれ?中野くん。』
『え?なに?どうした?コイツ、知り合い?』
『あ・・・・・いや、えーと・・・・あは、あははっ!』
突然 現れた俺に、慌て出す酔っぱらい。
弱そう。勝てるかも。
なんて 思って睨み付けてやる。
『何、やってんの?』
『え?あー、あ!用事 思い出した!』
一言、そう叫んだ酔っぱらいは
フラフラと右へ左へよろめきながら去って行った。
『息吹、大丈夫か?』
と、伊吹の方を振り向く。
『うん、平気。ありがと。
もう終わりだから着替えてくる。待ってて。』
『え。あ、うん。』
意外にも、平然としてる息吹。
もしかして、こういうのって・・・
よく あるんだろうか。
酔っぱらいに絡まれたり、
触られたり、抱きつかれたり・・・・
今より もっと酷いことにあったり、
危険な目にあったりしてるんじゃ??
伊吹を待ってる間、
色々 考え込んでしまって・・・
俺の方がモヤモヤと
落ち着かない気持ちに陥っていた。
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