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恋のはじまり??☆7
** 中野・side **
結局・・・晃たちには相談できないまま
日にちだけが どんどん過ぎてしまった。
あれから、伊吹とは少しだけ気まずい雰囲気もあったりするけど、お互い普通を装っている・・・そんな状態だ。
晃に、何度も相談しようと思った。
でも・・・多分、アイツに
「それは好きなんじゃないの?」
「つきあってみれば?」
なんて、言われたとしても
やっぱり、男と つきあう・・・っていうのが
どうしても 引っ掛かる。
男は恋愛対象外だ。
それは変わらない(伊吹には悪いけど)。
でも、気になる。
あれからずっと伊吹に何かあったら・・・
って思うと気が気じゃない。
これって、友達だから?
───だよな?
でも・・・・・・・・・
他のダチ(例えば晃や遊)が同じ状況でも
俺はこんなに 長く悩むだろうか。
『分からん・・・』
今日も、いつものファミレスで
ブラックコーヒーを 意味もなく
ぐるぐるスプーンでかき混ぜながら
あらゆる可能性を考えてみる。
伊吹が女の子に見えるから?
俺の事、好きだって知ってるから?
元々は俺が伊吹に一目惚れしてたから?
友達、だけど
ただの友達じゃない、俺たち。
『分からん・・・・』
『なにが?』
突然、声をかけられ、ビックリして・・・
持っていたスプーンが勢いよく飛んでいった。
『あー、っと。大丈夫?』
『えっ!?あ、う、うん・・・っ!』
床に落ちたスプーンを伊吹が拾ってくれる。
伊吹の事ばかり考えていて
意識しまくってしまった俺は・・・
正面に座った伊吹を見れなくて
すっかり冷めたコーヒーをがぶ飲みして
・・・思いきり噎せた。
『えっ?だ、大丈夫・・・・!?』
『・・・・っ・・・・・・・・』
咳き込んでいる俺は、コクコクと頷く事しか
出来ない。
もー、超恥ずい・・・・っっ////!
もー、何やってんだか!
変に思われなかったかな・・・。
気になって、チラッと伊吹を見れば
バッチリ目があった。
心配そうに俺を見ている伊吹。
急に胸が カアッと熱くなって
慌てて目を反らす。
絶対、挙動不審だ、俺・・・・!
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