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恋のはじまり??☆14
** 中野・side **
でも・・・・・・・・・
でも俺は・・・伊吹とまだ・・・・・・・・・
何か・・・何か言わなきゃ。
でも何を?
どう言えばいい?
どう言えば・・・分かってもらえる?
『そんな訳だから、もう帰ってくれる?』
『・・・・・・・・・え?』
『もう会わないから。』
『え?!・・・ちょっ・・・えっ?え・・・・っ・・・』
意外な力強さで、俺は玄関まで引っ張って
行かれてしまう。
『はい、おしまい。じゃあね。』
『ちょっ・・・待て・・・待って・・・』
ぐいぐい押されて、
とうとう外へ押し出された。
靴も、足でぽんっと蹴り出される。
乱暴な・・・・。
今までのは作ったキャラだったって事か?
いやいや、それより・・・!
『ちょっと・・・俺の話・・・!』
『ないから。も・・・、くしゅん・・・っ』
『え?だ、大丈夫・・・?』
『大丈夫・・っくしゅん!』
まだ寒いのに、風呂あがりに上半身 裸で
体が冷えたらしい伊吹は、くしゃみを繰り返す。
心配で、振り返ろうと1歩 前に出た途端、
パタンとドアが閉まり、すぐに鍵のかかる音がした。
『え・・・!ちょっと、伊吹!!』
慌ててドアを叩く。
シーン。
『い、伊吹・・・・!』
もう1度、叩く。
シーン。
『伊吹ってば!』
思いっきり、ドアを叩けば、どこからか
「うるせぇぞ!」と怒声が聞こえた。
閉め出された。
返答なし。
ウソだろ・・・・?
終わり?
これで・・・・終わり?
突然の終幕に頭が着いていかない。
でも、閉ざされたドアを見つめながら
伊吹の言葉を思い出してみれば・・・
今の俺に言える事も 出来る事もない・・・。
俺たちは「友達」にはなれない。
これが現実。
それでも未練がましく
控えめにドアを叩いてみたりして
しばらく待ってみた・・・・・・けど、
ドアが開く気配はない。
終わり・・・・・・・・・
これで終わりなのか・・・・・
『ごめん・・・・な』
俺は、ゆっくり背を向け・・・
アパートを後にした。
そうするしか・・・なかった。
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