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恋のはじまり??☆24
**中野・side **
『伊吹・・・・っ・・』
『・・・・・・・・・、ちょっと・・・ごめん・・・・・・』
伊吹は、まだ体がツラいのか・・・
壁際まで下がって壁を背もたれにして座り直した。
『はあ・・・・・。
・・・・だってさ・・・つきあえないって事、
中野くんは最初に きちんと言ってくれたじゃん。
友達でいいなら、って。
・・・・俺は それでいいって言ったのに・・・
勝手にツラくなって、八つ当たりして
勝手に終わらせた。
・・・・だから、悪いのは俺だよ。
最後まで嫌な思いさせて・・・ごめんね。』
と、自分を責める伊吹。
悪いのは、俺なのに。
『伊吹・・・・・それは違う!』
『違わない。悪いのは、俺。』
『悪いのは伊吹を傷つけた俺だよ!』
『・・・違う。俺が悪い。』
『俺だって!』
『俺だよ。』
『俺が悪いんだ!』
『俺だよ。』
『伊吹は悪くないっ!!』
『・・・・・・俺だって・・・』
『────っ』
どちらも譲らない。
暫しの沈黙。
そして
また先に口を開いたのは伊吹だった。
『・・・・・はあ。もう、いいよ。
じゃあ、俺も中野くんも悪い。これでいい?』
押し問答に疲れたのか、伊吹は諦めたように呟いた。
よし!
・・・・って・・・・・
いや、そんな事はどうでもいいんだよ!
『話って、それだけ?』
『え?』
『もう、いい?』
『え?え?』
なんか、
もう・・・終わりそうな雰囲気に
俺は焦る。
『いや!まだ ある!あるから!』
『・・・・・・・・・そうなの?』
『そう!今からの方が大事なんだ!お願いします!
聞いて下さいっっ!!』
『・・・・・・・。分かった。どうぞ?』
よし!
今、俺が思ってること、伝えたいこと
全部 伊吹に伝えよう。
きっと これが俺に残された最後のチャンス、
なんだから。
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