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恋のはじまり??☆32

** 中野・side ** わんわん泣く伊吹を俺は必死で宥める。 『い、伊吹・・・大丈夫!大丈夫だから!』 『せっかくの告白だったのにぃ・・・っ!』 『伊吹ー!泣かないで!』 『なんで・・お風呂・・・臭い・・・俺のバカ・・・』 『いや、全然そんな事ないから!  もう自分を責めるのやめよ?ね?』 『うっ・・・・うっ・・・お、俺・・・ウザい?』 『ウ、ウザいなんて思う訳ないじゃん!  伊吹は今、病み上がりで気弱になってるんだよ!』 『病み・・・上がり・・・・?』 『そう!まだ、ダルいんじゃない?  体、ツラそうだし。横になろ?ね?』 『うん・・・寝る・・・・』 一旦、布団から降りてもらい 布団を敷き直して伊吹を寝かせる。 「臭いから触らないでー」とか 騒いでるけど、無視。 ちょっとだけ抵抗した伊吹だけど、 やっぱり ツラかったのか素直に横になってくれた。 そして、横になったと思ったら すぐに とろんとした顔になって俺を見つめ・・・ しばらくすると、うとうとし始め ものの5分もしないうちに眠ってしまった。 ホッと息をついた俺は改めて部屋を見渡す。 うーん。 風邪のせいなのか、 俺のせいなのか・・ ホント、悲惨なくらい散らかってるなぁ・・・ こんな汚れた空間にいたら ネガティブ思考になるよな・・・ とりあえずゴミだけでも片付けるか。 ───と 静かに物音を立てないように気をつけながら 部屋の掃除を始めた。

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