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恋のはじまり??☆34

**中野・side ** 玄関ドアを開けて外に出ると、右奥の 駐輪場の前に男が立っていた。 そこに歩いていく。 『伊吹は?』 挨拶もなく、開口一番がこれ。 ・・・眉間にシワを寄せた怖い顔して。 ま、いいけどさ。 『寝てます。疲れちゃったみたいで。』 『ふーん。・・・で?』 『・・・で?』 『どうなんだよ、伊吹とは。どうなった?』 『・・・・・・・・・』 なんで、コイツに言わなきゃならないんだろーか。 つーか、誰なの? 伊吹のなんなの? ま、伊吹と親しそうだったし、 ケンカするのも・・・・・マズいかな。 『つきあう事に なりました。』 とりあえず、牽制の意味も込めて 簡潔に、それだけ告げる。 すると男は、目を真ん丸に見開いて 俺へと手を伸ばしてきた。 また、胸倉でも掴まれて殴られたりするのか!? と、身構える。 だけど・・・・・何故だか、気がついたら 俺は、 男に すっぽりと抱きしめられていた。 ────は? あまりに突然すぎて、 何が起こったか分かるまでに時間がかかってしまい、 我にかえった時には、すっぽり、ガッチリ。 『───っ!!んぎゃっっ!な、何してんだよ!』 男に抱きしめられるとか・・・・・・! (伊吹 以外)キモい! キモい! キモいぃぃぃ! 『うわぁぁっ!そっか!そっかぁぁ!!』 雄叫びを上げ、咽び泣く男。 『ちょっと!離せっっ!何なんだよ!』 『そうか!そうかぁぁ!』 『離せって!』 まじで、勘弁してくれ! キモいから!! その時、どこからか「うるせぇ!」と声がして・・・ やっと、男が俺から離れた。 『マ、マジで・・・なんなの?  アンタ、伊吹のなんなの?』 『あ、はい・・・・・俺は・・・・』 男は、目尻の涙を拭いながら ペコリと頭を下げて、正体を明かした。 『俺・・・、伊吹の弟です。』 『は・・・・・・・・・・?』 はい? 今・・・なんと? 弟?? 弟??? 『お・・・・・っ、弟ぉぉぉぉー??』 確かに・・・高圧的な態度が消えた今、 表情が和らいで、少し伊吹に似てるような気が・・・ しなくもない・・・ような気がするような、 しないような??? で、で、でも・・・・ 伊吹の弟にしては・・・・・・・・・ 老けてない?(←失礼) ホントに弟? 『・・え、マジ?・・・・ホントに?』 『はい。』 『マジのマジなヤツ?』 『はい。マジです。あ、因みに 高校生です。』 『───え!ええっ??高校生!?』 『はい。あの、さっきは すみませんでした』 また、ペコリと頭を下げてくる。 けど。 いや いや いや。 そんなんどうでもいい!! ・・・マジで ?高校生!? 見えない・・・・。 見えないから!!(←失礼)

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