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恋のはじまり??☆37
** 中野・side **
『伊吹・・・起きた?気分どう?』
『・・え・・・、あ・・・あの・・・・・・』
『ん?』
『あの・・・中野くん・・・なんで ここに居るの?』
不思議そうに聞く伊吹。
『へ・・・?』
なんだって?
もしかして・・・忘れてんの!?
『伊吹、ウソでしょ?!覚えてない?さっきの事!』
『え・・・・さっきの・・・って・・・・・。・・・・・・え?///』
あ。赤くなった。
『思い出した?』
『え?・・・あれ?あれ・・・夢じゃ・・なくて?
・・・・あれ?え・・・////』
真っ赤な伊吹が可愛い。
忘れたんなら仕方ない。
何度でも言ってやろう。
『好きだよ、伊吹。』
『え・・・///え・・えぇ??
あ・・・・・エ、エイプリルフール・・・?』
『それ、さっきも言った。まだ3月だってば。』
『え・・・。じゃあ、ホ、ホントに・・・///?』
『なんならキスする?濃い~ヤツ。』
『─────っっ/////』
その言葉で やっとホントに思い出した(らしい)
伊吹に、ぐいっと顔を近づけると
さらに顔が赤くなって、そして、焦り出す。
『・・・・・あ、あっ・・・・ダ、ダメ・・・////!』
慌てて、布団を引っ張って口元を隠した。
『はは。俺、気にならないのに。』
『ダ、ダメ・・・後で・・・/////』
『うん。後で。お風呂 入ったら しよっか。』
『・・・・・っ・・っ・・///・・・こ、濃い~ヤツ?』
『そ、濃い~ぃヤツ。』
『中野くん・・・。』
『ん?』
『も1回・・言って・・・・/////』
『何を?』
『す、好き・・・・って・・・/////』
『・・・伊吹。好き。大好き。大大大好き。
俺とつきあって?』
『・・・・・うん。俺も・・・大好・・・き・・・っ////』
『わ!泣くなよー。』
ぽろぽろ涙を溢す伊吹を
布団の上から抱きしめようとしたけど
「臭いからダメ!」と今度は
完全に布団にくるまってしまった。
臭くないって言ってんのに(笑)。
布団虫になった姿ですら可愛く思えるなんて・・・
今まで平気で一緒に居られたな、俺。
男だから
友達になろう
男だから
恋人にはなれない
男だから
男だから
つい、この間までの俺は
伊吹が「男」だって事に囚われすぎて
自分の気持ちに気づけなかった。
でも、男だからとか関係なく
伊吹が可愛い とか、好きって気持ちは ずっと
心の中にあった。
それは確かな気持ちだった。
・・・・・・・・・なのに
『ごめんな・・・俺がバカで。』
もっと早く向き合っていたら。
もっと早く認めていたら。
大好きな人を
泣かさなくてすんだのに。
ホントにバカだ、俺。
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