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恋のおわり?★6
** 伊吹・side **
『ふふっ、ふははっ、あはははっ』
なーんだ。
たいした事ないじゃん。
笑える。
俺は笑える。
こんなに笑えるんだ、
だから、
たいした事なんかじゃないんだ。
『ふは・・・あはは。』
また、酒を煽る。
楽しい。
楽しくなってきた。
その時。
玄関で音がした。
え、誰?
中野くん・・・・?
───な、訳ないか。
俺だって そんな甘い夢をみるほど
バカじゃない。
もう、終わったんだし。
って事は・・・・・・・・・
さっき、怒鳴ったヤツ?
『・・・・・面白いじゃん。』
殴り合いでもすれば気が晴れるかな、
なんて思っていたら ガチャッと音がして鍵が開いた。
『・・・・・・・・・ん?』
鍵・・・・・・・開いた?
『あれ?伊吹、いるの?』
声がして入ってきたのは、
よーく知ってる・・・・・・・・
『あー、青葉ぁ!青葉だぁ♪』
弟の青葉だった。
『え?なんで?学校は?バイトは?』
青葉は俺がこんな時間に居るのに驚いたようで
荷物を放り出して近づいてきた。
俺はというと、自分をよく知る人物の登場に
嬉しくなって思いっきり抱きついた。
青葉は固まっている。
『え?い、伊吹 どうした・・・って、酒くさっ!!』
『あははー。今日はお休みーっ!
なんもかも休みっ!へへ、青葉も飲むー?』
『いや・・・俺、高校生だから。
つーか、飲み過ぎだろ、どーみても。』
冷静にツッこまれ、酒を取り上げられた。
『なにがあったんだよ?』
何があったのかを聞かれて・・・・・・・・・
“ 青葉ならいいか ” と話す事にした。
酔ってるせいで、話は あっちこっちに脱線して
分かりづらかったと思う・・・けど、
青葉は根気強く聞いてくれた。
時間をかけて、そうやって話しているうちに
酔いも少しずつ冷めてきて
「フラれた」
っていう事実が胸にのし掛かって・・・
ヤバいと思った時には、もう遅かった。
青葉が居るって事で
心に甘えが出たのかもしれない。
突然 涙が溢れ、止まらなくなった。
今までのガマンが 一気に崩壊して、
年甲斐もなく、わんわん声を上げて泣いた。
───その後の記憶は ない。
散々 泣いたあげく、熱を出し
ぶっ倒れてしまったから・・・・・・だ。
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