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恋のおわり?★9
** 伊吹・side **
お粥を食べ終わった ちょうどその時
玄関のチャイムが鳴った。
『あ、いいよ。俺が出るから。』
『うん。』
まだ少し怠かったから、青葉の言葉に甘えて
横になった。
───でも
すぐ戻ってくると思ってた青葉が、なかなか
戻ってこない。
目を閉じて、耳をすます。
誰かと話してる・・・?のは分かる。
けど、青葉は不機嫌そうな声で
あまり友好的な感じではないようだ。
・・・・誰だろ。
この部屋で、俺じゃなく青葉に会いに来る人なんて
いないハズなのに・・・誰と何を揉めているんだろう。
やっぱり俺も行った方がいいかな、と
のそのそと布団から出た。
立ちあがって、玄関に向かうため歩き出した時・・・
『会いたいんです・・・!』
という、切羽詰まった・・・・
中野くんの声が聞こえてきた。
え・・・・。
な、中野くん??
なんで・・・中野くんが?
驚いて、足が止まってしまう。
混乱しながらも、一体どんな状況なのかと
聞こえてくる言葉に全神経を集中させる。
今更、なんでなのかは分からないけど
「会いたい」「謝りたい」中野くんは、
必死に青葉にそう訴えていた。
・・・そんな中野くんを冷たく あしらい
聞く耳を持たない青葉は、
俺が悪酔いした事、
風邪をひいて寝込んだ事、
全部が 中野くんのせいだと思ってるらしく
かなりキツい口調で中野くんに怒りをぶつけていた。
俺は、1歩ずつ ゆっくりと歩みを進め、
玄関のドアが見える位置に移動して
そっと 覗いてみる。
でも、見えるのは青葉の大きな背中だけで
誰かが青葉の前に立っているのが
何となく分かるぐらいで
顔までは見ることが出来なかった。
『・・・・・・・。』
“ 会いに来てくれた ”
・・・なんて、
単純に喜ぶほど、俺はバカじゃない。
あれから連絡もなかったし
中野くんにとっては俺なんて
その程度の存在なんだし・・・・
期待してはいけないんだ。
でも・・・・。
中野くんは悪くないのに。
俺に何を謝りたいんだろう。
今更、会って 何を話したいんだろう。
今の俺には悪い予想しか出来なくて
胸が痛くなる。
どうしよう。
会った方がいいのか、
このまま会わない方がいいのか・・・
俺は、立ち竦んだまま 動けなくなってしまった。
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