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恋のおわり??★10

** 伊吹・side ** どうしよう。 会いたいけど・・・会いたくない。 謝られて、それから? 話ってなんだろう。 俺は何を言われるんだろう。 ・・・・・怖い。 やっぱり・・・・会わない方がいい? 『お前が伊吹のために出来る事なんか、  1つもない。』 そう、きっぱりと言う青葉の声が聞こえた。 俺のために・・・・出来る事・・・・・・・・・ なんて・・・・・・・・・ だけどね?青葉。 俺だって・・・ 中野くんのために出来る事なんか もう1つも ないんだよ。 だから・・・・ やっぱり 会わない方が・・・・・・・・・ でも・・・・・・・・・ ああ 分からない。 とうしよう。 『帰れ。2度と来んな。』 迷っているうちに青葉が これで終わり、と ばかりに冷たく言い放って 中野くんを力いっぱい押したのが見えた。 中野くんは、よろけて後ずさって 俺の視界から消えてしまう。 『・・・・・・・・・っ!』 玄関のドアが閉まっていく。 よろけた時、一瞬だけ見えた中野くんの顔。 その顔を見た途端、 考えるより先に 体が動いていた。 ・・・やっぱり、 やっぱり・・・会いたい。 話したい。 これが最後でいい。 だから、もう1度。 そう決心した俺は、青葉に “ 2人きりにしてもらいたい ” と 頼んだ。 当然のごとく青葉は「ダメだ」って反対したけど なんとか・・・というか かなり強引に 出ていく事を了承してもらった。 荷物を抱えた青葉は・・・ ものすごい顔で中野くんを睨みつけてから 足音 高らかに アパートを出ていった。 青葉を見送る 中野くんの横顔を そっと見つめる。 やっぱり・・・・好き。 そう改めて想う。 終わってしまった恋に 胸がツキンと痛む・・・けど 覚悟を決めよう。 これが・・・きっと最後、だから。

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