637 / 761

恋のはじまり???☆15

** 伊吹・side ** 『キス・・・・?』 中野くんの目が大きく見開かれた。 ほら。 その顔・・・・・。 出来る訳ない。 「好き」なんて、 言葉だけなら 誰だって言えるんだよ。 『そ。俺の事 好きなら・・・・・』 ────と、 勢いと怒りで最初は強気で言えたもの 『・・・・・っ・・・・/////』 言ってる途中で 突然、はたっと我にかえった。 なに 言ってんの??? キス・・・、キスしてって自分から・・・/////! なに 言ってんだ・・・俺っっ////!! 急に恥ずかしくなって 顔が急激に熱くなるのが分かって・・・ 慌てて 下を向いた。 も、もー!恥ずかしいっ////! 消えたいっっ////!! バカバカっ////! 俺のバカッ////! 冗談だ、って言い訳して、誤魔化して 心の中で恥ずかしさに悶えていると・・・ 『出来るよ。』 さらっと中野くんが返してきた。 『・・・・・・・・・え?』 え。 出来る? パッと顔を上げて中野くんを見れば 一気に体温と心拍が急上昇。 でも・・・・・ それでも まだ 素直に中野くんの言葉を飲み込めない。 中野くんとキスしたい。 それ以上の事だって、したい。 俺とつきあうって、そういう事。 元々ノーマルの人が、生半可な気持ちで こっちの世界に来たら、絶対 後で後悔する。 俺には、胸もない。 余計なモノはついてるけど。 男なんだ、紛れもなく。 俺を好きだと言ってくれて嬉しい。 中野くんと つきあえたら すごく嬉しい。 俺はそれを間違いなく望んでいるのに そのハズなのに・・・素直に喜べない。 だって・・・・ 俺のせいで中野くんの人生が変わってしまう。 俺のせいで後で 悔やむような 間違いを・・・・・犯して欲しくない。 なんて・・ 中野くんの事を思いやる事ばかり 言ってるけど ホントは・・・・・・・・怖い。 俺の事が好きだっていう言葉を まだ完全には信じられてない。 こんな気持ちじゃ・・・・・・ 『・・・・・ごめん。俺・・・・』 やっぱり、無理。 嬉しいけど、すぐには受け入れられない。 せめて、少しでも・・・ 少しでいいから 考える時間がほしい。 そう言おうとした時、中野くんが 『伊吹。キスさせろ。』 もう待てない、って感じで膝立ちして、 俺の肩を掴むと 強引に抱き寄せてきた。 『・・・・え////??  え?ま、待って・・・えぇ?』 マ、マジで////??? 本気で・・・キス、する気?? 自分から言い出した癖に、焦る。 『伊吹・・・・・・・・・』 中野くんが真剣な顔をして ジーッと俺を見つめたままで ゆっくりと顔が近づいてきた。

ともだちにシェアしよう!