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恋のはじまり???☆16

** 伊吹・side ** あ。 本気だ・・・・。 嘘偽りのない瞳。 顔が近づいてくると、自然に顔を上に向けて キスしやすいように待ってしまう。 どんどん近づく唇と唇。 目を閉じるのが もったいない。 中野くんが俺に どんな顔でキスするのか 見ていたい。 中野くんは、閉じて欲しがったみたいだけど 譲れなかった。 寄り目にならないように 気をつけて お互い目を開けたまま 優しく 優しく 唇が触れあう。 唇が触れた時、やっと安心して そっと目を閉じた。 長い長い 口づけ。 ・・・ゆっくりと唇が離れると 嬉しさで顔が ニヤけてしまいそうになって 恥ずかしくて すぐに下を向いて顔を隠した。 『ど・・・どうだった?気持ち悪くない?』 と、聞く。 これでダメなら、まだダメージは軽い。 中野くんだって、まだ引き返せる。 不安になりながら、中野くんの答えを待つ。 だけど、中野くんの答えは・・・・ 『気持ち悪くない。もう1回する?  今度は濃い~ぃやつ。』 だった。 そして、また抱き寄せられる。 濃い~キス・・・・してくれるのかな・・・////? と、ドキドキする俺。 だけど、抱きしめられて 中野くんの香りを近くに感じた途端、 ある重要な事に気がついた。 俺!風呂 入ってない!! 『ダ、ダメーーーっっ!!』 『え?あ!わあぁぁぁぁっ!!』 思わず、両手で思いっきり胸を突く。 中野くんは 咄嗟の事になすすべもなく 畳の上にひっくり返ってしまった。 あ・・・ やっちゃった・・・・・!! もう・・・ダメだ。 なんで俺・・・ こう、何もかもが上手くいかないんだろう。 好きだって言ってくれたのに。 せっかくキスしてくれたのに。 そんな風に 後ろ向きな発言ばかりをしてしまう俺を 中野くんは根気強く励ましてくれた。 “ 具合が悪いせいだ ”って言われると 確かに そんな気がしてくる。 布団を敷き直してくれた中野くんに言われて俺は もう少しだけ眠る事にした。 体は怠かったけど 心の方は少し、軽くなった。 中野くんが傍に居てくれる・・ それだけで こんなに・・・・・・・・・ 俺は 安心して 目を閉じた。

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