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最高のプレゼント☆9

** 遊・side ** もうすぐ駅。 近づいていくと、誰かが手を振っているのが 何となく見えた。 『あれ?誰かなぁ?』 『あっ!英道。』 『え?』 『英道だーっっ!!』 突如、走り出す晴臣さん。 ホントに? 僕には、まだ顔まで見えないけど。 あ。 でも僕も・・・ 晃くんなら どんなに遠くても分かるもん。 ・・・うん。そういう事だね。 僕も小走りで2人のところへ急ぐ。 『遊っっ。やっば英道だった!』 『ふふ、うん。新見さん。こんばんは。』 『おう。悪かったな、ハルにつきあわせて。  暗くなったから車で送るよ。』 『え?いや、僕は大丈夫です。電車で・・・』 『ダメだっ!』 晴臣さんが突然、真剣な顔で がっしり僕の肩を掴んで揺さぶる。 『え・・・大丈夫だよ?』 『ダメ!』 『・・・・・えと、でも・・・・』 『いいから!心配だから!な?英道!』 『おー。遠慮すんな。』 『ほらっ!な?』 う・・・ そこまで言われると・・・・ 甘え・・・ちゃおうかな。 『じゃ、じゃあ・・・お願いします・・・』 結局、送ってもらう事になって 本音をいうと、1人で電車に乗るのは やっぱり・・・好きじゃないから・・・ すごく嬉しかった。 ☆ ☆ ☆ 『ただいまー。』 シーン。 うん。晃くん、バイトだからね。 誰も居ないのは、分かってる。 でも、やっぱり寂しいなぁ。 ご飯も・・・1人だと ちゃんと作って 食べる気になれない。 昨日の残りとか あるもので簡単に済ませちゃおう。 後は、お風呂を沸かして・・・ 晃くんの帰りを待つだけ。 あ。 待っている間に 誕生日のご飯メニューを考えよう♪ 少しは寂しさも解消出来る・・・かも、だし。

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