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最高のプレゼント☆30
** 遊・side **
18時、10分前
居酒屋に到着。
入り口のガラス扉に
“ 本日 貸切!” と、大きな紙が貼ってあった。
薫さん、ホントに貸し切りにしたんだ・・・。
すごいなー。
『『こ、こんばんはー。』』
晃くんと一緒に 恐る恐る戸を開ける───と
カウンターから手を振る新見さんと晴臣さんの
姿があった。
『よー。晃、遊。』
『遊、こっち来いよ!』
呼ばれて 僕たちも、カウンターに座った。
『晴臣~!なんで遊だけ呼ぶんだよっ!
俺、今日の主役だかんなっ!しゅ・や・く!』
『うっさいなー!呼び捨てすんなっ!』
『なんだとー!』
『なんだよっ!』
・・・あーあ
また始まった・・・
どうしよう
止めた方がいいかなぁ
『遊、ほっとけ。
相手にすると疲れるぞ。』
『・・・・・・・・・あ、はい。
お2人とも平日なのに早いですね。』
じゃれあうようにケンカしてる2人は置いといて
そう聞くと、新見さんはビールをひと口飲んでから
ニカッと笑った。
『ハルは 大体 定時で終わるし、
俺は何時でも帰れるからな。お前らは?』
『えっと・・・僕たちは春休みなので・・・・・・・・・
えっと・・・・・1日 のんびり してました。』
新見さんも晴臣さんも仕事してたのに
朝までエッチしてた・・・////なんて
さすがに言えない・・・////
『ほほー。1日・・・のんびりねぇ・・・・・』
後ろから地鳴りのような低い声が聞こえてきた。
ハッと振り向こうとした晃くんの頭を
ガシッと掴んで 不敵に笑う薫さん。
『───はっ!?て、てんちょー!?』
『のんびりしてたのは昼から、じゃねーのか?
夜中ヤリまくって昼まで寝てたんじゃねーのか?
あ?このドすけべ晃くーん?』
悪魔の微笑みを絶やさず
頭を掴む手に グッと力を入れる薫さん。
『へっ!?なんでそれ知って・・・・、
─────いだだだだっっ!
痛いっ!痛いっっ!!て、てんちょーっっ!』
『図星か。アホだな、お前。』
高笑いする薫さん。
痛みに悶絶する晃くん。
これは、止めないと!!
『薫さんっっ!やめてよっ、もーっ!』
僕が 薫さんの腕を叩いて 睨むと
薫さんは すぐにパッと手を離した。
呆気ないくらい、すぐに。
それでも、まだ消えない黒い笑みを浮かべたまま
晃くんの頭の上に もう1度 手を乗せると、
『今日は楽しめよ?
なんたって主役だからな?』
今度は恐ろしいほど優しく頭を 撫で
新見さんに「お前も楽しめよ?」と、笑って
奥の厨房へと消えていった。
あはは。
今日も、薫さんは薫さんだぁ・・・・・。
痛みに呻く晃くんの頭を撫でながら
これから一体、何が始まるんだろう・・・・と
ちょっとだけ不安になった僕だった。
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