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最高のプレゼント☆34

** 新見(高校生)・side! ** それからも別の不良に絡まれる薫を何度か見かけた。 見た目のキレイさに騙されて、ちょっかいを出しては 返り討ちにあっている不良がかわいそうになるほど 薫のケンカのやり方は卑怯で容赦ないものだった。 俺は、どちらかというと正統派なケンカが好きだ。 拳ひとつで戦うってのが気持ちいい。 1対1のタイマンとか、スゲー好き。 でも、薫は・・・勝つための手段を選ばないヤツだった。 もちろん素手や足も使うが、 大体はその辺に落ちてる棒や石で殴ったり、 砂で目潰しをしたり。 しかも目はトンでるわ、笑いながらだわ さながら その姿は、鬼?いや悪魔のよう。 その姿に、戦わずして腰が抜けて 降参するヤツもいるくらいだった。 今日も、倒れた不良に何度も何度も 足蹴りを繰り返している薫。 相手は、ピクリとも動いてないのに、だ。 『おーい。その辺でやめとけよー。』 好きなだけ ヤらせたら相手を殺しかねない。 いつからか、それを止めるのか俺の役割になっていた。 まぁ、頼まれた訳じゃないけど。 『・・・・・・・・っ、また お前か。』 『睨むなよ。そんなヤツのために捕まったら  バカみてーじゃん。』 『別に、いい。』 『親が悲しむぞ?』 なんて、柄にもない事を言ってみる。 『あんなヤツら・・・!悲しむ訳ねぇだろっ!』 『・・・・・・・・ふーん。』 薫が叫んだ後、ハッとして俺を見る。 しまった・・・・って顔だ。 『・・・なんだよ。憐れんでんのか。』 『ちげーよ。俺と一緒だな~って思ってさ。』 うちも、親はケンカばかりする俺に手を焼いている。 俺も相手にしないから、ここ何年かはまともに会話もしていなかった。 『・・・・・・。・・・・・お前、名前は?』 『なんだよー。覚えてねーの?』 『・・・・・・ちっ、・・・名前 言えよ!』 イライラする薫。 かなり短気なヤツのようだ。 ホント、見た目と全然 違うなぁ。 ま、そこが面白いんだけど。 『新見だ。新見 英道。よろしくな?』 『・・・・・・・・・・・ふん。』 『お前さー、ケンカ好きなの?』 『別に。向こうが絡んでくるからだ。』 『じゃあ俺と居ろよ。少しは減ると思うぜ?』 『なんで。』 『俺、強いから♪みんな、知ってるし♪』 『・・・・・・・・・・ちっ。うざ・・・・。』 『なんてな。ま、俺もストレス発散に  ケンカしたいからさ♪今度からは混ぜろよな。』 今まで傍観者に徹していたのは、下手に加勢なんかすると、話も出来なくなる気がしたから。 タイミングを図っていたんだよな。 『・・・・はあ。ちっ・・・・勝手にしろ。』 思ったとおり、許可がおりた。 『おお!やった♪よろしくな、薫♪』 名前を呼ぶと、ギロっと睨まれた。 『名前で呼ぶな。』 うーん? もしかしたら、「薫」って名前が 嫌いなのかもしれない。 それでも、目を反らさず見つめ返していたら 諦めたように深いため息を吐いた薫。 『ちっ、帰るわ。・・・・じゃあな。』 『おう。・・・・じゃあな、薫♪』 『・・・・・・・・・・・ふん。』 足早に去っていく薫。 ギクシャクしたその背中が 妙に可愛く見えたりなんかして。 やっぱ、面白れー。 少しだけ、近づけたかな? これからの日々が、楽しくなりそうな予感に 俺は ついつい笑いだしていた。

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