679 / 761

最高のプレゼント☆37

** 遊・side ** 桜子さんが離れたテーブルに座ったのを確認して しばらくして漸く、晴臣さんと新見さんが戻ってきた。 『晴臣さん・・・大丈夫?』 『う、うん。怖かった・・・・・|||||』 まだ、少し顔が青い。 余程、怖かったんだろうけど・・・・ 『えーと、自分のお姉さん・・・なんだよ・・・ね?』 聞くと、コクコク頷く晴臣さん。 『姉ちゃん、昔っから ものすごく怖くて・・・  色々あって・・・・あって・・・・・||||』 それ以上、語らない(語れない?)晴臣さんの代わりに 新見さんが簡単に説明してくれた。 晴臣さんには3人のお姉さんがいて それぞれが晴臣さんを溺愛していて・・・ でも、その過剰(過激?)な愛情表現は 晴臣さんにとっては恐怖でしかなくて 家から通えるにも関わらず、就職と同時に家を出て 一人暮らしを始めたんだって。 三姉妹のなかで特に桜子さんは 怯える晴臣さんを見るのが大好物で ずっと恐怖で支配されてて(!)、 今も顔を見ただけで怖くて怖くて パニックになってしまうらしい。 でも、そんな桜子さんが・・・ ほとんど連絡を寄こさないまま引っ越した 晴臣さんと新見さんに会いに来た事が きっかけで 家族にも交際を正式に認めてもらえたんだそう。 オレンジジュースを飲み干して少し 落ち着いたのか 晴臣さんが新見さんを見て大きくため息を吐いた。 『あ~、怖かった・・・・・・・・・』 『大丈夫?』 『ちらし寿司か~、いいなー♪俺も好き♡』 晃くんの明るい言葉に晴臣さんの顔が緩む。 『だろ??俺も超好きっ!!』 『新見さんもごはんに招待されるくらい  ご家族と仲良くなれてよかったよね♪』 『うん!あー、でもさー。  自分の親に英道とのこと認めてもらって  嬉しかったからさー、  俺も英道の親にも会ってみたいって  言ってんのに・・・英道のヤツ・・・・・・・・・』 『いいんだって。俺の親は、会わなくても。』 『またそれ!なんでだよー!?』 晴臣さんが ジーッと見つめる・・・・けど 新見さんは晴臣さんを見ない。 『いいから。』 返事も素っ気ない。 『もー!いっつも、こうなんだよー。』 『新見さん・・・・・・』 『えー、なんでですか??』 『・・・・・もう何年も会ってないんだ。  今さら会って話す事もねーし、  向こうも会いたくないって思ってんだから  いーんだよ。』 『そうかなー。』 『そうなの!はい、終わり。』 『もー。』 納得しない晴臣さん 終わらせる気はないらしく、新見さんの顔を覗き込む。 新見さんは、はっと息を吐いてから、やっと 晴臣さんを見た。 『いつにする?ちらし寿司。』 『ちらし・・・・、そう!マジでうまいから!  いつにする !?いつにする !?』 テンションが上がるまくる晴臣さん。 もう既に、もめてた議論?から、気持ちが 離れているようだ。 今や、ちらし寿司にまっしぐら(笑)。 さすが、晴臣さん。 してやったり、って顔で笑いながら 晴臣さんに見えないように そっと、ウインク。 さすが、新見さん。 よく分かってらっしゃる。

ともだちにシェアしよう!